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1月の土曜日「バンドのBAKU」

 無事に年も明けて1月ももう半ばを過ぎた。正月休みなんてなかったのに正月ロスのような気分になるも、祝日明けから徐々に調子を戻しての週末だ。年明けはなんだかまた暖かかったが、今週はなんとなく寒い。でもこれが例年か、という感じ。

 元旦早々、大きな地震が起きて僕の地元の新潟も結構揺れたようだ。正月だし、こんな時だし、とめずらしく父親に電話をかける。この人は特殊な仕事をしていて、普段は携帯の電波も繋がらない孤島にいるのだけれど、流石に盆暮正月は家に帰ってきているので、出るだろうとは思ったけれど、11月にはすでに退職して新潟に戻ってきていたらしい。ほぇ〜、と言いつつ前日のことを聞くと、「家が倒壊するかと思った」くらいにはインパクトのある揺れだったらしい(結果、全然大丈夫だったらしいが)。ということで、数年ぶりに話す。この人はまだ僕の娘に会ったことがない。それってどうなのよ? と良識のある人は思うだろうし、僕も少し思うけれど、まぁ、前述の通り特殊な仕事をしていた人だし、コロナもあったし(今もある)、何気にインフルエンザも猛威を振るっているこの状況。雪も雪だし、まぁ暖かな季節になったらいずれ、なんてことを言いながら、近況などを話した。

 ついでだからと、友達にも電話。こちらも相変わらず。こいつは同い年だけれど二十歳で結婚して子供ができたから、長男はもう高校を卒業して就職するという。下に二人まだいるのだけれど、一番下ももう中学生だそうだ。多分、僕の人生で親友と呼んでも差し支えないうちの一人だけれど、ライフステージが違うし住んでいる場所も違うので、このごろはなかなか話せていなかったので、久しぶりに話せてよかった。最近、僕が車の購入を視野に入れて、リハビリも兼ねてカーシェアで乗り回しているという話をすると、いろいろと教えてくれた。昔から車好きでとても詳しい。何せ、好きが高じて二回も免許を取っているくらいだ(ん?)。まぁ、若気の至りである。

 連休はなかったが、短日の休みはあったので、妻の親族の集まりに顔を出し、姪っ子たちにお年玉を配った。義父が五年もしないうちにまた車を乗り換えていたので、純粋に感心して感想を述べると、満更でもなさそうだった。新潟のばあばとは娘と一緒にランチをして、公園に行った。駅の反対側にある、以前住んでいたエリアにある公園で、娘は初めてだった。正直、大したことない公園なのだけれど、とても楽しそうだった。遊具をジェットコースターなどに見立てて、遊園地ごっこをした。ディズニーやよみうりランドに何度か連れて行っているからか、係の人の真似というか口調とか結構サマになっていた。プラスティックの筒状のすべり台があったのだけれど、静電気がバチバチで、それでも大はしゃぎだった。

 最後の祝日は妻が仕事だったので、娘と二人で過ごした。明日からまた保育園だね〜、というと意外にも「はやくおともだちにあいたいから、たのしみ」といわゆるサザエさんシンドローム的なやつは発症していなかった。まぁ、保育園生のときからそんなんじゃアレだが、クリスマスから年末年始、娘だけが長期休みで僕ら夫婦が仕事だったので、いろいろといつもとは違う環境だったワケだけれど、楽しい思い出が沢山出来たようで、本当によかった。

 その日のお昼は、これまた近所にあったのだけれど駅とは反対側にあるので、行ったことのない幹線道路沿いにあるガストに行った。Twitterなどでは見かけたことがあるけれど、実際には初めて見る例の猫型ロボット、あの料理を運んできてくれるやつに初めて遭遇した。なんか遠くの方から音がするな、と目をやると、その猫型ロボットが僕らの方にやってきていて、「え? なにこれ、ここに来んの?」となり、床面のタイルをローラーで這ってくるから、カタカタカタカタカタという音と共に迫ってきていて、初めてだったこともあり、なんとも形容し難いその迫力に気圧されてしまった。「料理をとってくださいニャン」と指示され、画面(顔面?)の完了ボタンをタップすると、キッチンへ戻って行った。娘も興味深そうに見ていて、近くのテーブルにそいつが来るたびに目を奪われていた。食べている最中に、「ここのガスト、ねこちゃんのロボットもいるし、きにいりました」とお墨付きを貰えたので、ドライブの帰りにでもまた来ようと思う。会計時にレジ横にあるおもちゃを買う。もう店に入った瞬間から「パパ、かえりにおもちゃかいたい……」と切実に訴えてきていて、買わなきゃ絶対に帰らないマンになっていたので、仕方がないのでひとつ買った。

 最近は保育園で妖怪が流行っているらしく、以前にハッピーセットでもらった妖怪図鑑を寝る前に一緒に見る。見ているなかで、バクという妖怪に興味を持ったらしく、解説にあった、恐い夢を食べてくれる良い妖怪、という記述も相まって気に入ったようだ。YouTubeでもその手の動画を見ているらしく、トイレの花子さんのことも知っていた。「うちのトイレにもくる?」と心配そうにしていたので、「学校のトイレだけだよ」と言っておいた。しかし案の定、花子さんが出てくる怖い夢を見てしまったらしく、「バクきてくれなかった〜」と翌朝、泣きっ面で言っていたのが、気の毒だけれどちょっと可愛かった。

 ちょっとしたバクブームみたいになっているので、普段の会話にも時折、出てくるのだけれど、その会話の中で妻が「バクって、妖怪だけど、動物にもいるよね〜」と言い、娘が「そうなの?」というので動物図鑑を見る。マレーバクなどが載っていた。僕が「バンドにもバクいるよ」というと、二人ともキョトンとしたけれど、いたのだ。バンドのBAKU。


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