人生を変え得る将との出会いを語る王騎

20代の頃、同じ職場の上司先輩からずっと「人に興味を持て」と言われ続けて来ました。転職する度に言われていました。相当気が利かない童だったのでしょうねェ。ですが結局何も変わりませんでした。元々人に興味はあったからです。当時無かったのは、仕事が出来ない自分と正面から向き合い、変わろうとする「勇気」だけでした。
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今思えば、下らないプライドが邪魔をしていました。理想の自分と現実との途方も無いギャップ。その中で、今の会社で頑張れば"なりたい自分"になれるのかと言えば、ああなりたい!とは全く思えない上司先輩しかいない絶望。そのうち"なりたい自分"が何だったのかも忘れ…。「頑張り方が分からない」日々が続きました。

頑張ろうにも、認められようにも、その仕事を頑張った先に、その上司先輩に認められた先に「なりたい自分」や「自分を納得させられる夢」が見つかるとは当時の私にはどうしても思えなかったのです。頑張れない理由を他責にしている時点で救いようのないバカ者なんですけどねェ。そこで私は自分のある能力の欠如に気付いてしまいました。

それは所詮、漠然としたままの、吹けば飛ぶような「なりたい自分」という理想を、ビジョンを、イメージを、一人で保ち続けるような強い意志も、想像力も、オリジナリティすら、自分には元から無かったということです。情けない話ですが…当時のそんな私に必要だったのは、心からカッコいい、ああなりたい!と思える、自分の脆弱な想像力を補完してくれるような上司先輩だったのです。

就職氷河期という時代にあって、やっと入れた会社の上司はその多くがバブル入社組という最悪な組み合わせの中で、上司の世代と全く価値観が相容れなかった結果、成果と呼べるような成果もろくに上げられぬまま履歴書の書き方ばかり上手くなり、10年間で4回転職して辿り着いたのが家を売る仕事でした。

朝礼で部長から檄が飛び、グラフが貼り出され、事務所にずっといると怒られる…いわゆる"販社"でした。もう30代になっていた自分は、正直ここまで堕ちたかと自嘲し、この期に及んで斜に構えていました。そんなふざけた姿勢でいるので当然結果など出ません。入社1ヶ月で初契約するも大クレームを起こします。

そこから4タコして違うチームに異動になりました。呼び出されたのでクビを宣告されるかと思いましたが、そこで出会った千人将…ではなく係長こそ、私が初めて心からカッコいい、ああなりたい!と思えた武将…ではなく社会人でした。新卒で最初の会社に入社してから10年の月日が経っていました。

「ouki君。このスマホの時代に君が新聞の販売員だったらどうやって売る?」営業が何たるか知らぬ私は、以前自宅に来た新聞販売員の姿を思い出し「洗剤を無料で付けますよォ」と。「それじゃ一生売れない。洗剤のために新聞を契約する人はいない。新聞を取るメリットが全く伝わらない」

「新聞を取るメリット…」「例えば、"自分の興味関心に紐づいた点の情報しか得られないスマホに比べ、面で把握出来る新聞から得られる情報量は3倍以上"だとしたら?」「ンフゥwそうなんですか??」「例えばの話だよ。あとは『もし日本のエグゼクティブ層の2人に1人が、〇〇新聞の購読者』だとしたら?」

「意識高い系の若者に響くかも…」「そうやってお客様にとってのメリットとデメリットを探りながら、少しでもメリットが上回るなら"買い"だと言いきってあげるのが営業の仕事。それは住宅も変わらない。ouki君のはただの押し売り。お客様が可哀想なだけ」

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この千人将…いや係長との出会いなくして、今の私は存在しないでしょうねェ。家を売るという仕事が、その人の生き方と重なって見えました。営業という仕事のイメージ、勝手に思い込んでいた先入観が自分の中で音を立てて崩れて行くのが分かりました。営業は努力、気合、根性。体育会系の脳筋しか続けられない?成功しない?

その全てがウソだったというわけではありませんが、それだけが正解ではないという不動産営業の仕事の可能性に、私はこれまでにない興奮を覚えたのでした。

さて、今の私は果たしてあの頃の自分がああなりたい!と思える上司になれているのだろうかと考えると、とてもそんな風には思えません。まだまだ中華の道は険しい。そしてここまで書いてみて、当時の上司と同じ立場のマネジャーになった以上、絶対に忘れてはいけないことを思い出しました。

それは童にとって直属の将の存在は、我々の想像以上に大きいのだということ。そしてその存在は、時に童の人生を変え得るということを。キングダムの中で、信にとっての王騎がそうであったように。私もあらためて初心に帰り、今いる組織とこの垢のフォロワーを大切に育てて行かねばなりませんねェ…ココココ

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