世代の求める「面白い」と「可笑しい」

「面白い」と「可笑しい」の概念的差異と、

そこにウケる世代間の差異の傾向性とは、

対応しているのではないだろうか?

「面白い」も「可笑しい」も

同じ「笑う」という行為を誘発する為、

かなり混同して用いられていることから、

正確にその概念的差異を抽出することは難しい。

したがって、ニュアンス的な違いを指摘することにしか及ばない上に、

かなり主観的な感じ方にはなるのだが、

「面白い」は

笑わせる側が、意図して相手を笑わせた時に、

それが「面白い」と表されるように思う。

謂わば、計算して必然的に笑わせることが「面白い」ことであると思う。

例えば、芸人さんのネタのように予め用意されたものはその典型である。

他方、「可笑しい」は、

呼んで字の如く、

「笑う可し」

「(自然と)笑える(笑うことが可能)」なので、

笑ってやるべき、憐れな、或いは、馬鹿馬鹿しい対象、

自然と何故か笑えてしまう、偶発的なハプニングに対して

より用いられる言葉ではなかろうか?

総合するに、

「笑う」という共通の結果を招く、

「面白い」と「可笑しい」には、

必然的か、偶発的か、という差異がある。

また、若い世代ほど「面白い」より「可笑しい」コンテンツがささる。

若い世代に人気のあるYouTubeで、

ドッキリや、〜〜してみた、という企画の再生が伸びているのは、

若い世代が偶然的ハプニングを求めている証拠である。

逆に、深い年齢層の視聴しやすい深夜帯のバラエティ番組やラジオは、

しっかり構成を練られているものが大半である。

つまるところ、

若い世代ほど「可笑しい」ものが好きで、

そこから年齢層が上がるほど(多分50代を上限として)
「面白い」ものに惹かれていくのだと推察する。

【日日是考日 2020/11/16 #034

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