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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿188

第187回から続く


頭に入れておいたほうがよい記事


今日は、5本のブルームバーグ記事を読んでから、本題に入ります。
それぞれ、頭に入れておいたほうがよい記事だと思います。

ブルームバーグ記事からの引用です。

イエレン財務長官が警告する「Xデー」、共和党の間で不信感広がる

・「ヘッジファンド、利上げサイクルの終了に備える―SOFR先物をロング

・「クレジットから株式へ、デフォルトの波が連鎖反応を引き起こすリスク

米債務上限引き上げ問題、合意まとまってもリセッションは深刻化か

・「FOMC議事要旨:追加利上げの必要性を巡り参加者に見解の相違


1点目~イエレン財務長官の警告


この寄稿で述べてきましたが、イエレンさんのハッタリ。このハッタリは結構意識しておく必要があると考えています。「早ければ6月1日にも米政府の資金が底をつく恐れがあるとしたイエレン米財務長官の警告」。このイエレンさんの警告を、僕は、ハッタリだととらえているわけですね。なぜなら、デフォルト云々ではなくては、支払いの優先順位それに甲乙をつけて選別するだけでしょ、と思っているからです。

もちろん6月初旬には注目していますが、より意識しているのは、TGAからのドローダウン(お金の引き出し)が6月30日まで続く可能性があるという、直近のこの寄稿で、引用として触れてきました試算モデルですね。TGAからのドローダウンは景気刺激的でQT効果をこれまで相殺してきております。これは、株には追い風の事ですから、売り目線、売り方としては、イエレンさんのハッタリよりも、こっちを意識しています。

2点目~ウォラー理事


今のFRB、委員会(FOMC)において。

セントルイス連銀総裁ブラード氏|~往々にしてパウエル議長の代弁をしたりします。
パウエル議長が言っていることと同じことを言ったりします、ご発言において。

・委員会の総意(コンセンサス)を掴みとる時には、ボスティクアトランタ連銀総裁、ウォラー理事、両氏の発言をよく聞くことにしています。


ウォラー理事

補佐官一番手、補佐官二番手


これらと段違いに重要な事として意識しておくことは、パウエル議長の腹心、副官、補佐官一番手は、現在、ウォラー理事ですね。そして、補佐官二番手が、NY連銀のウィリアムズ総裁。両者ともに委員会での投票権を常に持っています。FRB理事と、永久投票権を持つNY連銀総裁ですからね。

そのウォラー理事は、「6月利上げ休止というには早すぎる」「インフレとの闘いにほとんど進捗が見られない」とおっしゃっています。

2%のインフレターゲット目標へ近づいているという証拠が見られなければ、ウォラー理事は、利上げ休止をサポートしないともおっしゃっておられました。もちろん、僕は現在、この寄稿で述べております通り利上げ局面終了に備えておりますし、6月利上げ見送りだと思って僕は見ていますが。


言うなれば、おおかたこれまで各回利上げに入る時は、マーケットがそれをほぼ100%織り込んだ上での利上げであり、現時点で6月利上げの確率はまだ低い3割くらいですから。それでも、いったんほとんどなくなってしまっていた確率が3割まで上がってきている、その要因である、ウォラー理事の発言には常に注目しておく必要はあります。

3点目


クレジット市場で起こっていることとリセッションの度合いについては、事あるごとに過去のこの寄稿で触れてきましたので、そちらをご参照頂けましたら。第156回寄稿第170回寄稿などなどでございます。

4点目~オフィスビルの空室率


第161回で商業用不動産について触れ、以降、機会あるごとにそれについて触れてきましたが、米東部、中部、西部、どこもオフィスビルの空室率が高いんですよ。各地区で20%弱から30%弱の水準といった具合に。これは頭に入れておかなければなりませんね。

まあ、上記2点目は、パウエル議長周辺のお話として意識しておくことですが。1点目、3点目、4点目につきましては、ボディ・ブローのように、水面下で効いてきている話であり、TGAからドローダウン(お金の引き出し)が続いている間は、株式市場には顕著に表れないかもしれませんが、TGAからのドローダウン終了とともに、株式市場への向い風が吹き始めたとしたら、それぞれ時差をおいて、表面化するリスクさえあることですからね。

もう、アウトライヤー寄稿の読者の皆様におかれましては、「聞き飽きたわ」とおっしゃられるでしょうが。債務上限が引き上がったあ、債務上限問題が解決したあ、というニュースとともに、マーケットにとっては、ネットでタイト、ネットでネガティブになる状況ができ始める確率が至って高いですからね。じゃあ、それを見越して、先回りして行動すればいいじゃないか?となりましても、まだ確認事項があります。それは、いつまでTGAからのドローダウンが続くのか。続く間は、マーケットに拭いている風は、追い風。追い風が向かい風に変わったことを確認してから行動したいと考えています。

この寄稿で繰り返し述べてきました通り、イエレンさんが、TGAを再構築するためにマーケットの流動性を削減せざるを得なくなること(第170回寄稿などをご参照ください)、そこへ併せてのハードランディング(米経済・景気の急減速、リセッション)シナリオ、これがどう組み合わさっていくのかが、ポイントだと思っています。


ネットでタイト、ネットでネガティブになる状況について、注視



イエレンさんが発行するT-Bills((国庫短期証券~国庫の一時的な資金不足を補うためや、国債の償還に伴う借り換えのために発行される割引債)について、この買い手としては、現在、リバースレポの窓口に行かざるを得ないマネーマーケットファンドからの需要は多分にあるでしょうから。だからこそ、ネットでタイト、ネットでネガティブになる状況について、注視しているわけです。

リバースレポ~債券を担保として資金を借り入れる貸借取引の事。借り手側が資金を返却する際、担保とした債券が戻されます。レポ取引というのは、資金と債券を一定期間交換する取引の事です。




第189回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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