【散文詩】空模様はサバティカル

人間が降ってきた。
そうとしかいいようがなかった。

内面の動揺とは無関係に「雨が降ってきた」と比べて言葉の重みは変わらなかった。

雨なら傘をさすか雨宿りをすることで対応可能だが、人間が降ってきた場合の対処法は残念ながら持ち合わせがなかった。
身体器官は活動を停止したように、立ち尽くすだけであった。視覚だけが機能して雨粒にしては巨大過ぎる人体が数珠つなぎに炸裂していく様子を目玉から脳内に電送して許容量超えで生命活動を完全停止した。

防衛機制の誤作動だと推測するが何を防衛したのだろうか。遺体が増えただけではある。