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キャンプ場の予約システムと集客の仕組み:ホテル業界との比較 その2

前回の続き、です。現在のキャンプ場の受付システムの業界構造を、可視化してみました。

前回の記事から

さて、これからはあなたのキャンプ場の戦略とシステムが合っているか、よく考えなくてはいけません。そのポイントや今後の展望について、簡単にご紹介します。

キャンプ場の予約システム選びのポイント

キャンプ場の予約システムを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておいてください。

1. 予算

システム導入や運用にかかるコストを把握し、予算内で選択できるシステムを検討しましょう。導入費用だけでなく、月額費用や手数料なども考慮してください。現状は、予約に際して手数料発生のパターンが多いですね。自社で構築できると、ある意味で初期投資になりますので、投資回収の考え方をするのが良いでしょう。

2. 機能

必要な機能を満たしているかどうかをチェックしましょう。例えば、予約管理、キャンセルポリシー設定、料金設定、顧客情報管理、メール通知などの機能があるかどうかを確認してください。存在しない機能は、自分たちでアナログ管理してコストを抑えることも、考え方としては大事です。

3. 使いやすさ

スタッフが使いやすいシステムを選ぶことが重要です。システムが複雑であれば、操作ミスが発生しやすくなり、効率が悪くなる可能性があります。

4. サポート

システムの提供会社が適切なサポートを提供しているかどうかを確認しましょう。トラブルが発生した際に、迅速かつ適切な対応ができるサポート体制が整っていることが重要です。システムのトラブルもそうですが、不要なお客様とのトラブル発生は、施設の評判にも関わりますので、ご注意ください。

5. 柔軟性

今後の業務拡大や変化に対応できる柔軟性があるシステムを選びましょう。例えば、他のシステムとの連携が容易であるか、機能追加が可能であるかどうかは要チェック!です。

今後のキャンプ場予約システムの展望

キャンプ場の予約システムは、ホテル業界と比較してまだ発展途上であるため、今後さらに進化する可能性があります。例えば、以下のような展開が予想されます。

1. サイトコントローラーの普及

キャンプ場向けのサイトコントローラーがより一般的になることで、複数のOTAとの連携がスムーズになり、ダブルブッキングの防止や価格調整が容易になります。これにより、キャンプ場運営者はより効率的な販売戦略を立てることが可能になります。

2. AIや機械学習の活用

予約システムにAIや機械学習技術が導入されることで、顧客の予約傾向やニーズをより正確に把握し、適切な価格設定やプロモーション戦略を実施することができるようになります。AIなどの分野は、ある意味で期待感が勝っている分野ですが、こういう属性のお客様が良く来る、とかを分析してくれたり、今のタイミングでメールで連絡すると良いですよ、などの提案をしてもらえると、嬉しいですよね。

3. モバイルアプリの普及

スマートフォンやタブレットで簡単に予約ができるモバイルアプリが増えることで、顧客はより手軽にキャンプ場の予約ができるようになります。また、アプリを通じてリアルタイムで情報を共有することが可能になり、顧客とのコミュニケーションが向上します。PCからの予約は、減りつつあり、いかにモバイルフレンドリーなシステムか、も大事な視点です。

4. 他のサービスとの連携

キャンプ場だけでなく、アウトドアに関連するサービスや施設との連携が進むことで、顧客はキャンプ場だけでなく、周辺のアクティビティやサービスも一括で予約・管理ができるようになり、利便性が向上します。これは、地域連携や観光客の誘致にもつながりますので、今後の展開として期待したいところです。

別の視点:ホテル業界のレベニュー・マネジメントとOTA

ホテル業界では、「レベニュー・マネジメント」という言葉があります。
適切なタイミングで、適切なチャネルを通じて、適切なお客様に適正価格で販売をしていくこと、を差します。
具体例で言うと、

  • 繁忙期の価格を、需要に応じて上下するように設定する。直前にあと1部屋しか予約がない場合に値段をあげたり、なかなか埋まらない場合は値段を下げるなどを自動的に行う。

  • 放っておいても予約が入る連休や繁忙期は、自社サイトのみから予約を受け付け、閑散期はOTAを通じて拡販する、などです。こうすると、OTA手数料を取られず利益が上がりますし、閑散期はその分一気に露出が増えます(広告費もかけられます)。

この考え方って、キャンプ場の売り上げを上げるためにも、活用できそうじゃないでしょうか?
また、キャンプ業界も、今後はもっと幅広いお客様を受け入れていく業界になっていくと、個人的には思っています。つまり、日本の国外からのお客様にキャンプをしてもらう動線を積極的に作っていく必要がある、ということです。
2023年4月現在、明確にこれだ、と国外のお客様に紹介をできるチャネルはありません。そうなると、やはり既存のホテルなどが活用する外資系のOTAなどは、多言語対応もできていますので、まずの入り口となるポテンシャルとしては非常に高いと考えています。

道なき道を!

まとめ

これまで、キャンプ場の予約システムを、ホテル業界と比較をしながら、紹介をしてきました。いかがでしたでしょうか?
個々のキャンプ場の「どういうお客様に来てもらいたいか」などの販売戦略と、システム戦略は切っても切ることができません。

ここ数年、一気にキャンプ場は増え、需要の伸び以上に供給が増え、競争が激化しています。これは、キャンプをする人にとっては選択肢が増えて良いことですが、キャンプ場の経営者にとっては一大事です。
この競争で戦っていくためにもぜひ一度、自分たちのシステム戦略を見直してみてください。それはきっと、お客様にとってもよりアウトドアが身近になることにつながると思います。


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