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無料で閲覧できる英文パターン「薔薇のHexagon Filet Doily」

 こんにちは、レース編みをしている owarimao です。
 先日は上のような記事で「方眼編みだけど曲線を生かしている」という面白い形のドイリーをご紹介しました。昭和39年に発表されたもので、デザイナーは「松本すみゑ」さんです。写真をもう一度載せておきます。

全部で39段
デザイン:松本すみゑ
製作:owarimao

 薔薇の花は方眼編みでは最もポピュラーな図柄です。ポピュラーすぎて陳腐化している例もなくはないですが、中には本当にすばらしい作品があります。今日ご紹介するのもその一つだと思います。 
 作品の規模が大きいので、それだけ薔薇の図案が写実度を高めています。方眼の部分だけで52段。さらに縁取りと扇のような飾りがついています。

「Hexagon Filet Doily」
デザイン:Esther Parnell Hewlett
製作:owarimao

 まず方眼編みでぐるぐると正六角形に編んでゆき、三角の上の台形の部分は1つずつ新しく糸をつけて往復編みで編みます。方眼編みができたらその周囲を縁取りつつ、扇を1つずつ形作っていきます。6つの扇は全部続けて糸を切らずに編むことができます。
 このデザインは、アメリカで1950年代に出版されました。この時代にはいろいろな製糸会社が販売促進用にパターンブックを作っており、とても充実しています。デザイナーの Esther Parnell Hewlett さんの作品は、Ravelry (編物に特化した国際的サイト)でたくさん見ることができます。

 でも私はこの作品を自分で編んでいるとき(10年くらい前)、この方を知りませんでした。Ravelry に入って初めて、Hewlett さんの名前を知ったのです。「ああこの作品も、あの作品もそうだったんだ」というくらい、いくつもの傑作をデザインしておられます。
 私がお手本にして編んだのは次のような本です。出版年の記載が見当たらないのですが、昭和30年代だと思います。

『婦女界手芸シリーズ7 レース編 花のデザイン』表紙
裏表紙
婦女界の手芸書のいろいろ
編図の一部

 裏表紙の隅に小さく印刷してあるとおり、この本はアメリカ・イギリスで作られたパターンを邦訳紹介したもので、「正式許可」を受けていると誇らしげに明記してあります。日本人デザイナーは、たぶんまだ急成長をとげている最中だったのでしょう。
 たまたまネットのおかげでこの本を入手できましたが、こんな古い本はいつでもどこでも買えるわけではありません。

 しかし!

 こうした「レース編み黄金期」のすぐれた作品は、すでに公共の財産としてネット上で公開され、誰でも無料でアクセスして編むことができるのです。何とすばらしいではありませんか!!
 ぜひ次のようなサイトをごらんになってください。

 ただし説明は全部英語で、最近の日本の手芸本にくらべたら不親切です。方眼編みのチャートは載ってますが、それ以外は言葉だけで説明されています。でも英文パターンの読み方は最近いろいろな方が解説してくださっているので、心理的なハードルも下がってきてますよね? ぜひトライしていただきたいと思います。


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