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【落語好きの諸般の事情】#04 寄席における脳内インスタ映え問題(前編)

いや、インスタグラムやってないんですけど。今回は、落語を聴きに行って「うわー、この光景は記憶に焼きつけておかなきゃ!」と感動するほどガン見した、フォトジェニックな光景の思い出について書こうかなと。

フォトジェニックの最右翼は、やっぱり新宿末広亭。あの外観の写真をSNSやなんかで見ると、ホントいつも圧倒される。建築学的なことは何も知らないが、あの外に発した情報量の膨大さや、その情報が装飾として「和」のコンセプトで統一されている(寄席だから当然だが)絶妙なバランスが、まー筆舌に尽くせないほどキレイ。おっさんだてらにウットリする。さらに現地で周囲の環境と並べて眺めた時に感じるトートツな異世界っぷりも、胸のザワザワに拍車をかける。この落差はツンデレの心理に近い気がする。

末広亭の魅力は場内にもあって、一階席の前方と後方、左右の桟敷席、二階席、それぞれに見える高座の印象と感動が違う。どこからでも脳内シャッターをパシャパシャ押し続けられるほどだ。特に立ち高座で演じる色物の芸人さんはよく映えたっけ。

他の東京の寄席定席はすべてビルなので、末広亭と比べれば被写体としてどうしても一段落ちる。それでも、入口に並んだ寄席幟はどこも好きだ。上野鈴本は唯一太鼓を叩く前座さんの姿が街頭からも見られるのが被写体としてポイント高い。浅草演芸ホールは夏の恒例・住吉踊りを二階席から見た時の美しさが忘れられない(写真は撮ってません)。池袋演芸場は駅から至近なので、歩いて行って木戸と幟が見えた瞬間が最もフォトジェニックかも。
あとアレです。披露興行の口上。高座と客席が一つになってお祝いする光景は写真で伝わらない高揚感がある。って写真否定すんのかい。

そうそう、名古屋の新装大須演芸場の場内もなかなかフォトジェニックですよ。末広亭と浅草演芸ホールの中間みたいな雰囲気で。外部はチケット売場のテントと昔からある自販機で外観が隠れちゃってるのが残念ですが。

あれ、脳内フォトジェニックだった芸人さんの思い出を書こうと思ってたのに、また前段で長々書きすぎた。すいません、続きは次回に。


さて、ここから先は今回のオマケです。過去に拙サイト「落語別館」の日記やブログで書いた、東京時代に足を運んだ寄席と落語会の観覧記。それにちらっと説明を加えてのリサイクル公開(一部本邦初公開もアリ)。第4回は話の流れ上、新宿末広亭で。2005年4月に見た、マイベストフォトジェニック高座の思い出を。

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