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【落語好きの諸般の事情】#03 寄席における食事メニュー問題

落語通いを趣味にする人が、慣れるにつれて自然と学んでゆくのが、メシ問題。しかも終演後の打ち上げではなく、公演前または公演途中での。

大きなホールで夜に催される落語会では、売店でサンドイッチなどの軽食を用意していることがあったっけ。会社の終業から直行で来場した勤め人の方々にとっては、これが一番便利。席での飲食は基本禁止なので、休憩時間はロビーでパクついてる人が満ち溢れる。

以前、初めて知人数名を国立演芸場の落語会にお誘いした時、そのうちの一人(女性)がお手製のおにぎりを出してきたことがあった。その時は「席で一緒に食べよう」ということだったらしい。寄席の観覧にはお弁当が付き物、という考えだったようで。国立は客席のお弁当はどうだったっけ?とよく分からなかったので、そのおにぎりは開演前にロビーでみんなで頂いた。

寄席の団体さんのお弁当というのは、興味はあるものの一度も食べた経験が無い。以前上野駅の近くに美味しい稲荷寿司屋さんがあって、そこの助六寿司が上野鈴本の名物弁当だったのが、あいにく私が上野に引っ越して間もない頃に店を閉じてしまった。
手慣れた常連客は近所のデパートなどでお弁当を買うのも寄席観覧の手順の一つに入っているようだ。私はこれだけはずっと不慣れなままで、いつもコンビニで菓子パンかどら焼きを買い込むという、味もそっけもない手段のまま東京を離れてしまった。どら焼きは愛知に引っ越し後も大須でもいまだに続けている。

池袋演芸場で一度見かけたのが、ランチジャーに入ったカレーを休憩時間にむさぼり食っていた客。あの通気性の無い池袋の客席でカレー。その日一日は当然のごとく、カレーの匂いと同席しながらの観覧となった。神保町のらくごカフェは同じビルにカレーショップがあるけど、これに近い事態は無いんだろうか。客全員カレーくさいとか。
そういえば、上野鈴本の昼席サラクチという絶好のランチタイムに、ここぞとばかりにお弁当をつっつく団体客の前で、某二ツ目さんが楽しそうに『家見舞』を演じるのを見かけたことがあった。確信犯だよね絶対。


さて、ここから先は今回のオマケです。
過去に拙サイト「落語別館」の日記やブログで書いた、東京時代に足を運んだ寄席と落語会の観覧記。それにちらっと説明を加えてのリサイクル公開(一部本邦初公開もアリ)。第3回は2002年4月に池袋演芸場で開催された伝説の興行「池袋四月革命」について。

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