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男女コンビ芸人の傾向を調べてみました

 お笑いコンビの中でも男女コンビというのは少数派です。そのためか、お笑い芸人たちの間でもまだよく分かっていない点が多いらしく、しばしば不思議な存在として扱われています。

 では、一体どういう特徴があるのでしょう。簡単に調べられるいくつかのプロフィールで確認してみました。と申しましても、実在する全ての男女コンビを集計するのは不可能なので、以下のウィキペディアに載っている男女コンビを選びました。比較的、最近の方のほうがデータとしてまとまりやすいと考え、2000年以降に結成されたものに限定してまとめてあります。

 ウィキペディアに載っている組に限定しておりますので、ある程度は芸人としての活動が公に認められ、知名度もそれなりにあるコンビがカウントされていると考えられます。また、現在は解散しているコンビも集計しています。

 それでは早速、参ります。まず、男女コンビ結成年数の推移を一覧にしてみました。

結成年:組数
2000年:1組
2001年:0組
2002年:0組
2003年:4組
2004年:4組
2005年:3組
2006年:5組
2007年:3組
2008年:7組
2009年:3組
2010年:2組
2011年:3組
2012年:5組
2013年:4組
2014年:9組
2015年:3組
2016年:10組
2017年:10組
2018年:3組
2019年:4組
2020年:3組
2021年:7組
2022年:3組
2023年:0組

 一応は2000年以下もカウントしたのですが、お笑い芸人の数がグッと増えた2000年以降に男女コンビも増加しています。2016~2017年結成辺りがピークとなり、それより最近になるとコンビ数が低下するのは、まだウィキペディアに載るような知名度のあるコンビがそこまでいない可能性が考えられます。

 上記一覧をグラフにすると以下の通りです。

横軸が結成年、縦軸がコンビ数

 増加傾向があると思えなくもないですが、2000年代中盤からほぼ横ばいの状態が続いているようです。つまり、お笑いとしては主流とは言えませんが、消滅するわけでもない、それが男女コンビという存在のようです。

 もう少し詳しく調べてみましょう。男女コンビはボケとツッコミの構成がどのようになっているのでしょうか。一覧にしてみました。

女性がボケ:40名(40.8%)
女性がボケ(ネタによってはツッコミ):7名(7.1%)
女性がツッコミ(ネタによってはボケ):1名(1.0%)
女性がツッコミ:18名(18.4%)
不明もしくは未確定:32名(32.7%)

 今回の調査ではボケが多い傾向が出ました。人数で言えば、女性はツッコミの倍以上、ボケを担当していることになります。ただ、「不明もしくは未確定」の人数もかなり多く、ここに属する芸人が実際はどのような役割を担っているかで状況は大きく異なってきます。

 続いて、相方は自分より先輩か後輩かを調べてみました。芸歴の定義は意外と曖昧でどう判断したらいいのか迷うところですが、プロになった時期が少しでも早ければ先輩としました。つまり、アマチュア時代に先輩後輩の関係があったとしても同時にプロデビューすれば同期扱いとし、それぞれ違う養成所に通っていても先に通い始めたほうを先輩と定義してあります。少なくともどちらかのデビュー時期が確認できない場合は不明としました。

 結果は以下の通りです。

女性が先輩:12名(12.2%)
同期:49名(50.0%)
女性が後輩:24名(24.5%)
不明:13名(13.3%)

 2000年以降の芸人は、お笑い養成所に通ったのちにプロデビューする方が多く、養成所内で相方を決める方も珍しくありません。その状況を反映するかのように、ほぼ半数の方が同期とコンビを組んでいます。

 ちなみに、ウィキペディアでお笑いコンビの項目を見ると、どちらがネタを作っているのか書かれている場合があります。ついでなので、調べてみました。

女性:9名(9.2%)
両者:15名(15.3%)
男性:28名(28.6%)
不明:46名(46.9%)

 不明というコンビが最も多いですけれども、男性が作っている場合が比較的多いという結果が出ました。バラエティ番組などでお笑いコンビのネタを書いていない側がいじられる場面をチラホラ拝見してきましたが、ふたりが協力してネタを作っている場合もかなり見られることが分かります。

 最も多かったのは「不明」のコンビでございます。もちろん、不明コンビもネタの担当が決まっているはずで、全てのコンビのネタ担当者が判明すると、例えば今回最も少なかった「女性」が最も多くなる可能性も充分にありえます。

 ちなみに、女性側が先輩の時と後輩の時で、ボケ・ツッコミの比率やネタ作成比率に何か変化はないかも確認しましたが、特にどちらが先輩だろうと後輩だろうと同期だろうと、割合に大きな違いはありませんでした。

 今回の調査は以上となります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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