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1周年で記憶の限界を超えていく

 昔は個人個人がホームページを作ってネットに上げ、好きなように情報発信していました。有用な情報を上げる人もいれば自作のイラストや音楽を上げる人もいましたし、無意味と知りながら無意味なものを上げる人もいました。私は断然、無意味側の人間でした。今と大体同じことを書いては自分のホームページに載せていたんです。当時は今以上に何にも詳しくありませんでしたから、何だかよく分からない文章ばかり世界に公開していました。

 役に立たない情報を公開している自覚は十二分にあったんですが、更新頻度はなぜか高く、ほぼ毎日何らかの更新をしていました。役に立たないこととなるとアイデアが湧き出して止まらない病気にかかっていたようで、徐々に内容を充実させ、いや充実させてんのかは知りませんが、とにかく更新している間に1年が経っていました。

 誰にとっても全く意味のないホームページだったんですが、作っているとやっぱり愛着がわくもので、どこにどんな文章が載っているのか全て把握していました。「うちの犬がよそ見して歩いてたら止まってる自転車に激突した話なら4月25日に書いたね」なんて感じです。

 しかし、1年を過ぎた辺りから記憶の容量を越えてしまったのか、いつ何を書いたのか全く覚えられなくなってしまいました。何なら書いて更新したそばから、自分が先ほどまで書いていたものを綺麗さっぱり忘れてしまうまでになりました。それだけならまだしも、今まで覚えてきた1年目の記事たちの記憶もなぜかスッカリ忘れてしまい、どこに何があるのかサッパリ分からなくなってしまいました。そうなると何が起きるかというと、以前書いていたのと全く同じ内容の文章をネットへ上げるようになるわけです。書いた記憶がなくなるわけですから、当然の帰結です。

 活動場所がホームページからブログやSNSに移り変わってもそれは同じでした。noteでの更新を本格的に始めるにあたって、私は過去に書いた文章の中で残っているものをなるべくチェックし、それらをリメイクして載せることを思いつきました。そうすることで忙しい中でも更新頻度を維持できると思ったからです。というわけで、自分がどんな文章を残してきたのかを調べ、整理したんです。リメイクのしようもない文章も結構あったので、使えそうなものとそうでないものを分けておこうと思ったんです。

 やっぱりありました。過去に書いたものだと知らずに、同じエピソードをさも今さっき思い出しましたみたいな感じで書いている文章が。酷いものになりますと4回使っているエピソードもありました。どれも「初めて書く話ですけど」みたいなノリが文章の節々ににじみ出ているんです。ちなみに、2回目は最初に書いてから3年後で、3回目は更にその2年後、4回目は更にそれから1年後に書いてます。

 11月15日でnoteで本格的にあれこれ書くようになって1年が経ちました。つまり、そろそろnoteに何を書いたのか把握できなくなる時期に差し掛かっています。

 書いた文章をまとめた段階で自分の記憶があてにならないことを痛感していましたから、簡単なデータベースを作って自分が既に書いたものかどうか分かるようにしました。パソコンで検索すれば以前に何を書いたのか調べられるようになっています。それでも、さっそく以前書いた文章と同じ内容のものを書いていることが先日発覚しました。文明の利器を無に帰す忘却機能です。我ながらさすがとしか言いようがありませんでした。

 今後は以前書いたものと同じような内容の文章をウッカリ書いてしまう現象が起きるかもしれませんが、そういうことなんだと思っていただければ幸いです。

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