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事務所別R-1グランプリ2024予選通過具合一覧

 大規模お笑い賞レースの決勝進出者が確定するたび、どの事務所の芸人がどれだけ予選を勝ち抜いたか何となく統計を取っております。もちろん、今回はR-1グランプリでございます。よろしくお願いします。

 ちなみに、昨年の結果は以下の通りです。

 早速、ご覧いただく際の注意点を申し上げます。

 今回ご紹介する一覧は個人で調査しておりますので、実際の数値と多少のズレはあるかと存じます。ただし、おおよその傾向を見る分には問題ないと思いますので、お気楽にご覧くだされば幸いです。

 また、今回から芸人の所属名として「無所属」が採用されています。調べてみたところ、「アマチュア」「フリー」の、いわゆる事務所に所属していない芸人をまとめて「無所属」としているようです。しかし、R-1の公式結果には「アマチュア」「フリー」表記の芸人も散見される上、勝ち抜くにつれて「無所属」になったり「アマチュア」になったりしているなど、キチンとした種類分けがされておりません。ひとまず今回は「アマチュア」「フリー」及び、各事務所が運営する芸人養成所の所属者をすべて「無所属」としてカウントしました。

 今回も同じ事務所の芸人なのに事務所名が若干異なる、いわゆる「表記ブレ」が見られましたので、その場合は同じ事務所の芸人としてカウントしてあります。また、全ての参加事務所を載せると表がものすごいことになってしまうので、参加人数10以下の事務所はひとまとめにしてあります。

 また、R-1は過去に準決勝進出経験のある芸人にシード権が与えられ、2回戦からの参加になっており、数字にもそれが反映されています。

 では、早速参ります。まずは、各事務所の芸人が予選をどれだけ勝ち抜いたか、人数で一覧にしてみました。

各事務所芸人による各予選の進出人数一覧
赤い数字は1回戦~準決勝が上位5事務所、決勝が上位3事務所(単位は全て「人」)

 基本的な傾向は例年の大型賞レースと同じです。まず、アマチュアという大群を内包している「無所属」が最も多く、事務所に所属しているプロとしては吉本興業が圧倒的に多い。そして、太田プロ、ワタナベ、松竹、人力舎といった比較的歴史ある事務所に加えて数で攻めるSMAが100人前後の参加者でまとまっており、その下に少数精鋭で攻める事務所と新興勢力がいるという状態です。

 注目点としてはやはり芸歴制限の撤廃による参加人数の増加です。では、どれくらい増えたのでしょうか。1回戦の参加人数を比べてみました。シード権のない芸人のみの比較であるため、正確な意味ではちゃんと比べられていませんが、おおよその傾向を掴むために敢えて一覧にしてあります。

昨年のR-1参加者との人数比較(単位は全て「人」)

 やはり、概ね増加傾向になります。いくつか減少している事務所もありますが、ワタナベと人力舎はシード権のある芸人がカウントされていない点が主な理由として考えられます。TWIN PLANETとライジング・アップはお笑い事務所としては歴史が浅く、そもそも芸歴制限に引っ掛かっていた方がほとんど所属していなかった可能性があります。

 芸歴制限の撤廃は参加人数10以下の事務所にも影響を与えています。昨年はおよそ74の事務所から108の芸人が1回戦に参加していることが確認できておりますけれども、今年は116の事務所から211人の参加が確認できました。「参加組が数過去最多」と言われた昨年のM-1でも参加組数10以下の事務所が83だったことを考えると、かなりの多さです。これは芸歴制限が撤廃されたことに加え、ひとりで参加できる大会である点が大きいと思われます。

 ちなみに吉本興業の決勝出場数2は2022年のR-1と同じで最も少なく、他の大型賞レースと比べても極めて低い水準です。

 続いて、各事務所の1回戦参加人数をそれぞれ100%として、各予選で勝ち上がった芸人が各事務所における全参加人数の何パーセントかを一覧にしてみました。

各事務所勝ち抜き率一覧
赤い数字は2回戦~準決勝が上位5事務所、決勝が上位3事務所(単位は全て「%」)

 勝ち抜き率ではいつも上位に食い込むマセキ芸能社がここでも上位に入っている他、今回はトゥインクルコーポレーションとケイダッシュステージの躍進が目立ちます。少数精鋭の事務所で特別強い芸人がひとりでも現れると、勝ち抜き率に大きな影響を与えるため、このような結果になると考えられます。ひとりの芸人が多く勝ち上がることで勝ち抜き率に影響を与える傾向は参加人数が少ない事務所ほど顕著で、今年もひとりしか参加していないのにそのひとりが準々決勝まで勝ち上がった事例はチラホラ確認できました。この場合、もちろん準々決勝まで勝ち上がり率は100%となります。

 今回の調査は以上となります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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