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硬直する受験英語

大学受験英語というと、単語やって熟語やって文法やって解釈やって読解やって英作やってリスニングやって、みたいなことになりがちです。そしてそれぞれの「分野」の学参を用意して取り組んでいく、というわけです。

これでそれぞれの学習の目的が認識できていればよいのですが、どうでしょうか。「こないだのお昼は、中華と餃子と満洲でした」という文は何かおかしいですよね。「中華(料理)」は「餃子」などを包括する上位概念ですから「と」で並列できません。「(ぎょうざの)満洲」はこれらの料理を食べるお店ですから、これも「と」並列することはできません。このため、この文は3割ヤバいものになっています。受験英語における上記の「分野」においても同様のことが起こっているのです。

単語や熟語、文法は英語の理解や表現に必要な知識です。理解や表現は入試で主に求められる技能(言語技術)です。英文解釈は英文理解のうち主に文理解に焦点を当てたもので、文を超えた文章の理解と設問への対応に焦点を当てたものが読解です。そして「単」語は文および文章から取り出した語のことですから文および文章の一部ですし、語と語の「熟れた」結合が熟語ですから、これらの知識は文法と密接に絡んできます。

知識と知識、知識と技能の有機的な接続ができていないと、読み書き聞いて設問に答えるところにたどり着けません。受験英語を細かな「分野」に切り分けたまま、それらを連携させる配慮を怠れば、学習は空回りするだけです。受験勉強はやってきたけど、得点につながっている実感が湧かない、その手前の読み書きができるようになった感じがしないというのは、こうしたことが原因となっている場合がほとんどです。

さあ、学習を見直してみましょう。

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