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例文暗記から始めること

noteでは、英文法学習における例文暗記の有効性、重要性についてときどきお話ししています。

今回は例文暗記を独習で行う場合、教室では何をするかについてお話しします。教室でやるべきことは、ひとことでいうと、その例文を通して身につけた文法知識を使う練習です。この練習には、いわゆるドリル的なものと、実際の言語使用を想定したタスク的なものとの2つがあります。

ドリル的なものに対して否定的な考えをお持ちの方も多いと思いますが、それは不適切なドリルのみを行い、それ以外の言語活動をいっさい行わないといったことがかつて行われていたからだと思われます。正確な知識を身につけるには形式的な練習を繰り返すことも時には必要です。ただしそれだけではなく、その形式が表す意味を考えさせる練習問題や文脈や場面のなかで使う練習を、口頭や記述で行うようにすればよいのです。

こうした文脈や場面のなかで形式と意味を意識した練習の延長線上にあるのがタスク的な練習です。ただだらだらと会話練習をするとかといったものではなく、当該文法項目を多用しそうな場面や文脈を設定し、そのなかで英語を話したり書いたりする練習をしていくというものです。ドリル的な練習と違い、独習ではなく教室で他の学習者がいるときに有効となる学習法です。文章を素材にした場合はほかの学習者がいなくても可能ですし、一対一の個別指導でも対応できます。

例文暗記+関連ドリルは大学受験のために英文法を学ぶときにも大変有効です。文法問題集よりも濃密で高質な文法学習になります。とはいえ、関連ドリルの質と量を確保することは容易ではありません。文法能力開発でも『ゆっくりとしっかり学ぶ英文法』の練習問題を現在準備しておりますが、この練習問題はこうした利用を想定しています。

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