見出し画像

2種類の文法練習問題

英文法などの外国語の文法を学ぶときの練習問題には、大きく分けて2つの種類があります。

  • [自動化]考えなくなるようにする練習問題

  • [意識化]考させられる文法問題

ことばでコミュニケーションを行う場合、ことばそのものにはできる限り意識を向けないで伝達する内容に意識を向けたいものです。このためには文法を気にせずに無意識に使えるようになるまで練習していくことが必要です。このときに取り組むのが自動化のための問題です。

基本的な語順などは考えても仕方ないもので、こうした知識は初めからこうした慣れを養う問題をたくさんこなしていくことができます。しかしながら、文法知識の中には多くの人にとって丸暗記が難しく、頭の中で整理しながら学びたいものもあります。この場合は文法のしくみの理解を促すような練習問題に取り組むと効果的です。このときに取り組むのが意識化の問題です。大学受験の英語学習で志望校での出題の有無に関わらず和文英訳に取り組むのは、こうした「考えさせられる文法問題」として和文英訳問題が効果的だからです。

大学受験用には多くの文法問題集が市販されています。入試レベルの文法問題は、どちらかというと意識化の問題と言えますが、最終的にはある程度自動化しておかないと、制限時間の中で読解や作文などを含めた全問題を完答することが難しくなります。それでも、知識が身についていない段階から文法を意識しないで解くのは効果的とは言えません。惰性で解く1000題よりも、適度な緊張感を持って解く100題のほうが、学習効果としては数段上です。文法能力開発の文法指導のモットーである「わかって、使って、感じとる」の「使って」の一端を担うのも、こうした意識化のための文法問題です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?