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辞書を「読む」ことの難しさ

持田のnoteでは、辞書の活用について繰り返しお話ししてきました。オンライン個別指導では辞書指導を行いますし、対面の集団授業でも辞書を引き、読むことの大切を折に触れて語っています。それでも辞書は難しいと思うのです。たとえば、remindという動詞。単語集や語法問題集には次のようにパターンが示してあります。

remind A of B

これを覚えるのはよいでしょう。4択問題の選択肢にはrememberやrecallも上がっています。これとはどう違うのか、自力で整理することができるかが焦点です。まず上のパターンですが、主語のあるパターンとして捉え直します。A, B, Cという3つの語句が必要となりますが、"C"は一般的な英文法では「補語」を表すことになっているので混乱が生じます。そこで、X, Y, Zを用いてパターン化します。

X remind Y of Z

X, Y, Zにはそれぞれ名詞が用いられますが、名詞ならば何でもよいのではなく、意味的な縛りがあります。辞書にはそうした知識も示してあるので確認しておきます。そうして特定の意味的な役割を持つX, Y, Zがrememberやrecallでどう配列されるのか、という視点で各項目を読み込んでいきます。まずはrememberですが、これは単純なパターンであることが確認できます。

Y remember Z

remindにおいて、〈思い出す人〉は目的語のYであることが確認できればrememberの主語をYとして関連づけることができます。次にrecallですが、こちらもrememberと同じパターンで用いることができます。しかし、辞書の項目をさらに読み込んでいくと別のパターンも見られます。これらを整理すると次のようになります。

Y recall Z
X recall Z (to Y)

語順と共に前置詞の選択にも目を向けましょう。これらを用例も観察しながら確認していくわけです。これが「辞書を読む」という活動の一端です。また、4択の語法問題の正解以外の選択肢もこのように確認していくことで、学習効果が高まります。

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