おおやぎ

17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そし…

おおやぎ

17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせていただきました。今は作家業を引退しています。専門学校講師なども歴任し、後進のお役に立てれば嬉しいなと思っています。

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  • シナリオ小話

    二流脚本家のシナリオ・脚本への考え方、アドバイス、雑感、つぶやきを再構成して再録しています。約20年、ラジオドラマ、テレビアニメ、深夜のバラエティー番組の企画・構成・脚本で関わってきたフリーのプロデューサーのキャリア中盤に、学校で企画・脚本の現役クリエイター講師などもしながら、少しずつMixiなどで公開していたものの再録になります。 たとえばアニメやゲームのシナリオライターを目指すかた、映画・映像の演出や脚本を目指すかたなどの一助になれば幸いです。

最近の記事

シナリオ小話 14 視聴者のレベル

第14回目は、請負でシナリオ執筆を生業としているわたしの雑感というか、最近とても頻繁に考えるようになったことを記しておこうかと思います。(2007頃 執筆当時) それは「視聴者のレベル」です。 こんな風に書くと『作家の上から目線だ』と言われかねないわけですが、どうぞ誤解なきように。わたしは視聴者を「実はかなりレベルが高い」と思っているのです。 たとえば、とある小学生・中学生といった低年齢向けビデオの脚本の仕事のはなしです。もちろん教育ビデオではなくエンターテインメント。 監

    • シナリオ小話 13 冗談

      第13回目の今回は、まさにシナリオの専門的な内容から離れて気楽にいきましょう。 ――ということで、「冗談」を盛り込もう、といった内容です。 以前に専門学校でシナリオの授業を教えたり、同業の映像脚本家がシナリオ学校で教鞭をとっていた関係上、一時期、シナリオを学ぶ若いお人たちが「脚本を見てくれ」「添削・寸評をくれ」とのことで、しばしばボクの自宅へ脚本を送って来て下さったりしました。 もちろん勉強中の方々の脚本には様々なところで甘い部分や技法的に不足する部分が目立つわけですが、も

      • シナリオ小話 12回 分からないことは分からない

        今回は「分からないこと」と題しましたが、より専門的に言えば「想像のための余裕」であるかもしれませんし、「述べなくてもよいこと」であるかもしれません。 というのも、拙連載の最初の方で「説明の過不足」――特に「過分な説明」はイカンとしました。脚本のテンポを悪くし、ドラマへの理解や没入感を薄めるからです。 ・・・であれば、結論から言いますと、ドラマは「分からないこと」の連続なのです。それは、限られた時間内に、限られた視野の中で描くからです。誤解を恐れずにズバリ言うと、「分からな

        • シナリオ小話 11回 名前

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 前回の「無言」に続き、「無言」に次いでよく使われる「名前」について言及しておきましょう。 ここで言う「名前」とは、セリフで相手の名前を呼ぶこと。

        シナリオ小話 14 視聴者のレベル

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        • シナリオ小話
          14本

        記事

          シナリオ小話 10 無言

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 今回は、シナリオ上で最もよく使われる表現、「無言」について考えてみましょう。 時代的に少し古い脚本家は「無言」をト書きで表現しますし、これより

          シナリオ小話 10 無言

          シナリオ小話 09 口調

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 副題を「口調」としました。ここでは、人物の話し方の特徴・物の表し様といった人格面ではなく、より単純に「口調」にだけ着目しましょう。 夜のアパー

          シナリオ小話 09 口調

          シナリオ小話 08 助詞(または副詞)

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 第8回ですが、回数を重ねてくる毎にシナリオ技術論みたいになって来ましたね(注 初出 2007年頃)。 そういうのはあまり本意ではなく、できる限り

          シナリオ小話 08 助詞(または副詞)

          シナリオ小話 07 小物と動作

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 第7回は「小物と動作」と題しましたが、ようするに「小道具」と「演技」のことです。 新井一先生はじめ、小説家でペンマンクラブ会長であった井上靖先

          シナリオ小話 07 小物と動作

          シナリオ小話 06 モンタージュ

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 第6回目です。やはりTVや映画などを観ていて普通に感じる、けれどシナリオライターぽい話題がイイですね。ということで、本来は大変に奥深い「モンター

          シナリオ小話 06 モンタージュ

          シナリオ小話 05 説明過多

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 第5回目の今回は、如何なる場合にもタブー視される「説明」という単語をあえて使ってみたいと思います。冒険かしら。(笑) 「説明ゼリフ」や「聞いた

          シナリオ小話 05 説明過多

          シナリオ小話 04 切り取り

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 4回目の今日は、「切り取る」ということについて考えてみたいと思います。 しばしば映像の世界は『四角く切り取られた世界観』と表現されます。 しかし

          シナリオ小話 04 切り取り

          シナリオ小話 03 セリフのウソ

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 第3回目は「セリフのウソ」ということでいきましょう。 中にはパントマイムという技法もありますが、現在のところ、「脚本」は主に行動と言葉(セリフ

          シナリオ小話 03 セリフのウソ

          シナリオ小話 02 表現の過と不足

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 今回は「短いセリフから読み取る」ことに焦点を当てつつ、最近(注 初出 2007年頃)自身も体験し、また同業の同輩からも聞いたひとつの問題を紹介し

          シナリオ小話 02 表現の過と不足

          シナリオ小話 01 すべてにシナリオあり

          17歳でデザイナ・構成作家としてデビューして、フリーのプランナー兼プロデューサー、そして二流の脚本家としてちょうど20年の商業作家生活を無事に送らせて頂きました「おおやぎ」が、2007年頃からMixi等で公開していた講座連載を再構成して掲載いたします。今も脚本・シナリオを学ばれるあらゆる層のかたがご笑覧くださるなら望外の幸せです。 日記でもなく、連載コンテンツと呼べるほど立派ではないけれど、シナリオに関する覚え書きとして、また自分自身の考えをまとめるためにぼつぼつ連続掲載し

          シナリオ小話 01 すべてにシナリオあり