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ビッグモーターの保険金不正請求から学ぶべき4つの企業教訓

皆さん、こんにちは。
今、連日TVや新聞で問題が取り沙汰されているビッグモーター株式会社の不祥事から、企業が学ぶべきことはどんなものでしょうか。
ビッグモーターは未上場企業且つ、大企業でありながら自社公開データも異常に少ない印象を受けますが、中古車販売最大手の企業です。(年商約7,000億円、従業員数6,000名)

近年、保険金の不正請求や整備の水増し請求などの不祥事が相次いで発覚しています。
このような不祥事は企業の信用や評判を大きく損なうだけでなく、法的な責任や損害賠償などのリスクも伴います。
そこで今回はビッグモーターの不祥事から、企業が学ぶべきことをいくつか挙げてみました。

1.コンプライアンスの徹底

コンプライアンスとは法令や社内規則などに従って行動することです。
企業はコンプライアンスを重視し、社員に対して教育や啓発を行うことが必要です。
またコンプライアンス違反が発生した場合は迅速に対処し、再発防止策を講じることが必要です。
ビッグモーターの場合、不正請求は上司の指示によるものだったとされており(社長なのか、取締役なのか、それ以下の現場判断なのかは、はっきりしていません)、コンプライアンス意識が低い組織風土が問題視されています。

2.情報開示の透明性

情報開示とは企業が自らの活動や状況に関する情報を公表することです。企業は情報開示を通じて、顧客や取引先や株主などのステークホルダーとの信頼関係を築くことが必要です。
また情報開示は正確で分かりやすくタイムリーであることが必要です。
ビッグモーターの場合、不祥事が発覚した後も会見を開かずにプレスリリースで謝罪したり 、自主調査の結果を隠したり、その他社内チャットの履歴を削除するなど、情報開示の透明性に欠ける対応が批判されています。

3.顧客満足度の向上

顧客満足度とは顧客が商品やサービスに対して感じる満足感の度合いです。

企業は顧客満足度を高めることで、リピートや口コミなどによる売上や利益の増加を期待できます。
また顧客満足度を高めるためには、顧客のニーズや期待に応えることや、顧客や取引先との真摯コミュニケーションを大切にすることが何より必要です。
ビッグモーターの場合、不正請求によって修理費をつり上げ、損保会社に水増し請求していました。
顧客の車を故意に傷つけたりするなど、顧客満足度を無視した行為が問題視されています。
厳密にいうなら顧客満足度云々というレベルの話ではなく、顧客の車を故意に傷付けた『器物損壊』、保険会社や顧客に対する『詐欺』にあたります。

4.エンゲージメントの向上

ビッグモーターは実績を上げる社員には破格の給料を払い、それを餌に採用活動を行っていたのではないかと思います。
例えば年収が多い方では営業所長で4,000万円、営業で2,000万円もの給料があったようです。
給料が多いことは決して悪いことではありません、寧ろ良いことだと私は思います。
但し真っ当なビジネスをしているということが大前提です!
エンゲージメントとは、従業員の企業に対する愛着心や思い入れのことで、個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係のことをいいます。
エンゲージメントが高い組織は、生産性や業績が向上するという研究結果もあります。

ビッグモーターの従業員にエンゲージメントがあったかどうかは、具体的なデータがないため断定することはできませんが不祥事が発覚したことで、エンゲージメントが低下した可能性は高いと考えられます。
不祥事は企業の信用や評判を損なうだけでなく、従業員のモチベーションや自信も失わせることになります。
また不正請求は上司の指示によるものだったとされており 、経営陣や従業員のコンプライアンス意識や倫理観が低いことが示唆されます。
目標達成の為なら手段を選ばないというビッグモーターのスタンス、労働基準法度外視の降格・減給制度、不正を公にすることが出来ない自浄作用の低さなど、企業と従業員の双方に強い絆があったとは到底思えません。

したがって、ビッグモーターの従業員にエンゲージメントはあまりなかったと推測できます。
ビッグモーターがエンゲージメントを高めるためには、コンプライアンスの徹底や情報開示の透明性や顧客満足度の向上などを行う必要があります。
また従業員に対しても、個人の成長や働きがいを高めることや、顧客や社会に対する価値提供を意識させることや、メンバー間のコミュニケーションを促進することなどが必要です。
エンゲージメントは個人と組織が相互に関与し合うことで強まるものですから。

まとめ

以上が、ビッグモーターの不祥事から企業が学ぶべきことです。
ビッグモーターの不祥事は企業倫理や社会的責任(CSR)に反するものであり、他の企業にとっても反面教師となるべきものです。
企業はコンプライアンスの徹底や情報開示の透明性や顧客満足度の向上などを心がけることで、不祥事を防ぐことができます。

最後に、かのピーター・ドラッカーは著書『現代の経営』の中でこう言っています。
『真摯さに欠ける者は組織の文化を破壊し、業績を低下させる。』
真摯な姿勢で日々のビジネスに向き合うことが、とても大切ですね!

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