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焼肉屋にしたらいいよって言われたあの日を僕はいまだに覚えている

ちょっと昔の話をします。

昔と言っても今から約2年前、ひととまるをオープンしてから3ヶ月が経った夏のある日のことです。
バーの営業が終わり、スタッフ同士で夕ご飯を食べていたら、ブラインドをくぐって60歳オーバーの男性が入ってきました。

営業終了ですとお断りしようかと思ったのですが、一杯だけということで夕食を私だけ切り上げて、対応することにしました。

どうやら印刷関係の仕事をされているようで、「デザイン」に一家言ある人でした。生ビールを一口飲むや否や、アドバイスという名のマウンティングを繰り返してきました。
全てが見当違いで、しかも初対面、さらに営業時間外という、失礼しかない方だったのですが、どんな人であっても、お客さんですし地元の方のようだったので思うことをグッとこらえ、聞き役に徹しました。

30分くらい経った頃でしょうか、その人が「こんな飲み屋じゃダメだなぁ。焼肉屋をしたら絶対に儲かるよ。」と言われ、仏の石丸もさすがにプッツンきました。

「じゃあ、あなたがやってください。今すぐお店譲りますからどうぞ。」

そしたら、まぁ僕は飲食店は未経験だから無理だけど、やるとしたら焼肉屋だね。お肉を切るだけで調理の必要がないから的なことを言って、話を濁されました。

お店をやっていると、たくさんのアドバイスをもらいます。
中には参考になることもあります。だけれど全く参考にならないものの方が多くて、特に年配の男性がするアドバイスは参考になりません。

そして、そういう人に限って一度しか来ません。
何度も来てくださる方のアドバイスは的確ですし、私では気付けなかったことを言ってくれるので大変助かっています。
どんな人のアドバイスを参考にするか、どんなアドバイスなら参考になるか、この2年で気づいたことがあるので、そのことについてはまた別の機会に書きます。

あの焼肉おじさんは、どんな権利があってあんな偉そうな態度をとれたんだろうか。自分が年をとった時に若い人を無言で応援できるような人間でありたいなぁと反面教師にさせてもらっています。


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