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地方(田舎)暮らしのいいこと、悪いこと

先日、Twitterで地方在住の増加が、トレンド入りしました。

自分自身が移住者であること、NPOの移住促進のお手伝いをしていることもあって、改めて地方暮らしのいい点・悪い点をまとめておくのもいいかと思って今回のnoteを書くこととしました。
(大変長くなりましたので、箇条書きのところだけでもご覧くださいませ)

・前提
今回は郊外から田舎(竹野)への移住をイメージしています。
多拠点にすると話がブレるので、今回は一拠点で考えています。
・自己紹介
現在31歳、26歳の時に埼玉県のザ・ベッドタウンから移住。
妻と娘の3人家族。
知り合い・地縁なし。

ちなみに、上のTwitterに書いたように地方にも色々あります。

都市→郊外→地方都市→田舎→僻地の太字部分が地方だと私は考えていて、もちろん明確に3分類できるわけではなく、地方都市と田舎の中間があったりとグラデーションがあります。
私は竹野を「田舎」だと捉えています。

下の記事は竹野の紹介も兼ねているので、詳しくはこちらをご覧ください。


ちなみに竹野は大きい大きい豊岡市の一部です。一市五町が合併して今の豊岡市ができました。
竹野にはスーパーが1軒、コンビニが1軒あって、日常の買い物で困ることはほぼありません。
豊岡市街地はお店も多く、大きな買い物はそこに行く感じです。(家から車で30分)
市街地にスタバはないけど、ミスドもマックもニトリもあります。
イメージ的には地方都市と田舎の中間です。


それでは本題に参ります。(まずは列挙します)

いい点

・自然豊かで癒される
・家の近くが海なので、子どもを野放しにできる
・人の優しさに触れる機会が多い
・家族の時間が長くとれる
・通勤のストレスがない
・家賃が安い
・ごはんがうまい
・家が大きい
・物理的に密じゃない
・開拓の余地がある
・起業がしやすい
・日常的な出費が抑えられる

悪い点

・仕事が少ない
・教育の選択肢が少ない
・病院が遠い
・人間関係がめんどくさい
・車必須
・飲み会のコストが高い
・将来的に生活費かかる?
・買い物は不便(ないものがある)
・賃金は安い
・家が寒い
・虫との共存

とまぁこんな感じでしょうか。

それではひとつずつ書いていきます。

いい点

・自然豊かで癒される
今さら説明する必要あるのかって話ですが、やっぱり一番はこれです。
なんか嫌なことがあったら、すぐ海に行きます。
海はすべてを包み込んでくれます。海は偉大なり。
ちょいと車を走らせれば山もあって、緑に囲まれることもできます。

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ただ自然はツンデレで時に厳しくもあります。

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・家の近くが海なので、子どもを野放しにできる
公園などは近くにありませんが、その代わり広大な砂場(浜)があります。
子どもを自由に遊ばせて、私はぼーっと海を眺めるなんてこともできます。

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家に帰ってから、お着替えが大変ですが、それは許容範囲。

・人の優しさに触れる機会が多い。
最初は仲良くなれるだろうか、村八分にされないかと不安に思っていましたが、まったくそんなことはなくて、とてもよくしてもらっています。
子どもが生まれてから、より一層そのことを感じます。たまに面倒を見てくれたり、おすそ分けがほぼ毎日のようにあります。
子どもが年齢層さまざまな人と日常的に触れ合えるのはきっと本人にとってもいいはず。

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・家族の時間が長くとれる
親の仕事内容にもよるので、一概には言えませんが、それでも知り合いの家族に聞いても、一緒にいる時間が増えたと言う人がほとんどです。
うちは自営なので、ほぼずっと一緒にいる感じです。
子どもの成長を共に感じられること、妻と一緒に子育てできることは苦労もありますが、やっぱり幸せなことだと思います。
(妻がどう思っているかは知りません)

・通勤のストレスがない
我が家は店と家がとても近くて、出勤のストレスどころか境界線が皆無なので、逆にそれがどうなん?って感じです。
通勤の場合でも満員電車はないです。(ただ電車は1時間に1本)
私は通勤してないので、通勤している人の気持ちはわかりませんが、それでも都会に比べたら楽だと思うけどなぁ。

・家賃が安い&家が大きい
家が大きくて家賃が安いです。金額は内緒ですが、4~5万円で大きい一軒家が借りられます。(我が家はそれよりも安いです。コソッ)
ただ一部直さないと使えないみたいなことがあるので、その点だけ要注意。

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・ごはんがうまい
まぁ、これもよく移住サイトとかで見るので、今さら感ありますが、おいしいです。まずお米の味が違います。お米だけでお米が食べられます。
ひととまるのごはんを食べていただければわかってもらえるかと。
あと、漁師さんからお魚をもらったり、知り合いから山の幸をもらった理、野菜をもらったり。もれなく新鮮でおいしいです。

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・物理的に密じゃない
竹野は家自体の距離は割と近いですが、それでも満員電車のような窮屈さや、まちなかものんびりと歩けるくらいです。(時に寂しくもありますが)
浜にいけば、開放感しかありません。

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・開拓の余地がある&起業がしやすい
田舎にはないものがたくさんあるので、自分で商売を始めたい、起業したい人にはチャンスが多い気がします。競争相手も少ないので、興味も持ってもらいやすいです。小さく始めたい人にはいいと思います。
また、ここ数年、国や地方自治体の支援も充実しているので、元手が少なくても始められます。ちなみにひととまるを始めた時の元手は100万円くらいだったはず。
※起業にはもちろん失敗のリスクもあるので、そのあたりはちゃんと計画を立てる必要がありますが、始めやすい環境なのは間違いないです。

・無駄な出費が抑えられる
お店が少ないので、無駄な出費を抑えられます。
埼玉の実家に帰省して、ショッピングモールに行くと、購買欲をそそる広告が溢れているなぁと驚きます。


悪い点

・仕事が少ない&賃金は安い
どうしても仕事の選択肢が少ないです、求人はたくさん出ているので、仕事が見つからないことはないと思いますが、理想とする仕事があるかどうかは別です。実際移住を検討している人の多くが仕事をどうしようか悩んでいるのをよく見ました。
私のように自分のお店を持つのも一つの手ですが、それはやはり少数で就職したい人がほとんどですよね。

豊岡市の仕事をまとめているジョブナビ豊岡というサイトがありますが、ここを見ても業種や賃金が低いことはわかります。
https://job-navi.city.toyooka.lg.jp/

・教育の選択肢が少ない
竹野の浜地域には小中学校が一つずつ、こども園(保育園と幼稚園)が一つ。南の方にも小学校が一つとへき地保育園がありますが、かなり遠いです。
高校は豊岡市に6校、うち市街地に4校。竹野にはありません。
大学は専門職大学が開校される予定ですが、一般大学はありません。

別に教育に熱心でありたいと思っているわけではありませんが、選択肢が一つしかないってのはなんとなく嫌で、もし合わなかったらどうしようとか、保育園も何種類かあれば、教育方針や本人の希望に合わせて選んだりできるのだけどなぁと最近保活本を読んで感じました。

あと意見がわかれますが、1学年の人数が少ないので、それがどう子どもに影響を与えるのか気になるところではあります。

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・病院が遠い

近くに町医者があるので、大人はそこでまず見てもらえばいいのですが、幼児やもしなにかあった時、出産も公立の豊岡病院一択です。(車で35分くらい)
いざとなればドクターヘリもあるようですが、そこまではなぁと心理的にブレーキがかかりますし。子どもが熱痙攣を起こしたとか、骨折したとか、そういうことを想像するとちょっと不安になります。
あと、豊岡病院の先生と相性が合わなかったらどうしようと思ったこともあります。
ただ、実際に困ったことはないので、杞憂な気もしますが、子どもが生まれて病院が遠いのはいいことではないなぁと思うことが増えました。
(大きな持病を抱えている人は事前の調べが必要かも)

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産婦人科も一つ。我が家は逆子だったため、事前に入院しての帝王切開だったので、「陣痛が始まった→急いで車で向かうぞ」がなかったので、もし帝王切開でなかったら父ちゃん慌てただろうなぁと思っている。
(それにしても娘小さいなぁ)

・人間関係がめんどくさい
我が家は大変よくしてもらってるし、不快な思いをしたことはありませんが、めんどくさいと思うことはあります。
ご近所付き合いがわずらわしい人とか、行事に出るのが嫌いな人は向いてないんじゃないかなぁ。
我が家はご近所付き合いは苦手じゃないし、運動会とか球技大会に出るのは好きだから、ストレスに感じたことはないし、むしろ誘われてうれしいです。
あと、どんな人が近所に住んでるかはクジみたいなところがあって、厄介な人が近くにいたら辛いと思います。(そういう時はすぐ引っ越しましょう)
近くにはいませんが、同じ地域内にすごく細かい人とか変わった人はいます。ただこれはどこに住んでもありえる話かな?

あと農村集落だと、日役(みんなでやる仕事)が多いです。
私の住んでいるのは海側の町なので、年に1回の浜掃除だけですが、田んぼがあるところだと水路の掃除とか、結構あるっぽいです。


・車必須
一家に一台は必須ですし、片方が仕事で使う場合は二台必要です。
なくても生きてはいけますが、多分無理です。不便すぎて無理です。
妻は免許を持っていなかったのですが、竹野に来るにあたって免許をとりました。なので車の維持費やガソリン代が生活費に上乗せされるのは計算に入れておいてください。

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(ここまで降るのは十年に一回あるかないかですので、ご安心ください。)

・飲み会のコストが高い
市街地に住んでいる人は飲んで、歩いて帰れるからいいですが、竹野の人は代行を使ったり電車だと盛り上がってきたころに帰らないといけないので、飲み代+代行代がかかるので、気軽に飲めないのが辛いです。
私はお酒をほとんど飲まないので、気にしませんが、お勤めの方は大変だろうなぁと思っています。


・将来的に出費が大きい?
日々の生活費は確実に下がっています。
車の維持費を入れても家賃や日々の食費、そして無駄な出費がなくなったので、生活費は下がっています。
ただ、教育費を考えるとちょっとどうかなと思っています。
今後娘が成長して、大学に通うとなると学費以外にも仕送りをしないといけないので、その費用はバカになりません。
なので、田舎はお金がいらないって説は正しくもあり、場合によっては間違っているので、気をつけてください。

※そもそも大学行かなくてもよくない?とかは親のエゴで、本人が行きたいと言えば行かせたいと思っています。私は何不自由なく大学に通わせてもらったので、私は親の義務だと考えています。


・買い物は不便(ないものがある)
市街地にいけば、それなりに買い物ができますが困ることがあります。
我慢してあるものを買って解決することもありますし、ネットで買えばいいと思うのですが、どうしても現物を見たい、試してみたいと思ってもできないことが多々あります。
特にお店を始めてから、そう思うことが増えました。家のことなら妥協できますが、お店だとなかなか妥協できません。

・家が寒い
古い家は風通しがよくて、我が家は4月いっぱいまでストーブが稼働しておりました。寒いです。寒いの嫌いです。あと海の近くなのでなにかと錆びたり傷みが早いです。

・虫や動物との共存
自然が近いということは、当然虫や動物たちと共存することでもあります。
近年はカメムシさんも増えましたし、シカさんも夜、車で走っていると見かけます。ヤモリさんとかもいますね。意外とゴキさんは少ないですが、それに似たフナムシさんは家に入ってきます。あと、小さいカニも家に入ってきます。共存していきましょう。

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これはお店の近くにいたカエルさん。


最後に


列挙&説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?
少しでも参考になれば幸いです。

私自身は竹野が好きで、悪い点よりもいい点が多いので、5年間暮らせているわけですが、当然合わない人もいます。
今後、ライフスタイルや考えが変われば、他のところに行きたいと思う可能性だってゼロではありません。
もし、ひととまるがなかったらどうだっただろう?とか。そんなことをふと考えることもあります。

今、移住を検討している人は色々と調べてみるといいと思いますが、個人的な意見としては理想郷はないです。我慢しないといけないこともあります。住めば都的なこともあります。スローライフ?それはお金に余裕がないと無理です。
移住相談に乗っていると、全部乗せ増し増しみたいな要望を言われるのですが、ないものはないのです。

そんな冷たいことを思われたらすいません。
でも、移住してほしいがためにいいことしか言わないのとか、イメージの切り取りはいやで、いいこともあれば悪いこともあるのを知ってほしいと思って正直に書きました。

大変長くなってしまいました。

最後にこのnoteに関連性の高い、拙者の過去noteをぺったりしておきます。

よかったらそちらもご覧ください。




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