Genesis / Selling England by The Pound (月影の騎士)
■ Genesis / Selling England by The Pound
■収録曲:Side 1 - 1.Dancing with the Moonlit Knight(8:04) 2.I Know What I Like (In Your Wardrobe)(4:07) 3.Firth of Fifth(9:35) 4.More Fool Me(3:10) // Side 2 - 1.The Battle of Epping Forest(11:49) 2.After the Ordeal(4:13) 3.The Cinema Show(11:06) 4.Aisle of Plenty(1:32)
■パーソネル:Tony Banks(key,vo,g) Phil Collins(dr,vo) Peter Gabriel(vo,flute,oboe,per) Steve Hackett(g) Mike Rutherford(b,g,vo)
■リリース:1973年10月
■カバー・アート:Betty Swanwick
ジェネシスは1970年代に優れた大曲を数多く発表しプログレッシヴ・ロックのひとつの型を創出しました。その後、1980年代から1990年代にかけては次々とポップなシングルヒットを放ちました。
ピーター・ガブリエル(最近の表記はゲイブリエルですね(^^;;)在籍時とそれ以降、或いは、「そして3人が残った」辺りを分岐点に所謂ぷろぐれな音からポップな音に移行したために、ファンの層も2分されるのではないかと思います。
そうした中で、代表作を1枚だけ挙げるとすれば、「Selling England by the Pound」です。国内発売当時の邦題は「月影の騎士」。これは、1曲目のタイトル「dancing with the moolit knight」からとったものでした。実際のタイトルは「英国を量り売りする」といったシニカルなもので、これも実は、同曲の歌詞の一節です。
数あるジェネシスのアルバムの中でこれを推す極めつけの理由は、「Firth of Fifth」が収録されているということです。この曲は、非常に技巧的に作曲されています。頻繁に転調し拍子を変えつつも、流れは実に自然です。そして何より重要なことは、音楽そのものが究極かつ永遠の美を湛えているということなのです。リリカルなピアノに始まり力強い主題が奏でられ、フルートとトーンを押さえた穏やかなギターソロを経て主題に戻るという完璧すぎる構成です。
さらに、その歌詞。現代社会とキリスト教世界とギリシャ神話世界の対比で幾重にも解釈できる内容。言葉は平易だけど難解、本意は不明という、なんだか聖書チックな内容です。アナーキーなロッカーが言葉を並べてみました的なものとは本質的に異なります。音楽と歌詞の世界観が見事に調和しています。この若さでこの歌詞が書けるところも驚愕的です。
● 歌詞をGPT4に訳させてみました。
● 以下は、GPT4による歌詞の解説です。
B面に移り、エピング森の戦い、アフター・ジ・オーディアル~シネマショウと実にメロディアスな演奏が続きます。歌詞も…歌というよりは、映画かショーでも観ているかのように、具体的に語りかけてきますよね~。ジェネシスのアルバムの中で全曲通して今でも聴くものは、このアルバムと静寂の嵐くらいなんですよ~。そんな2枚の中でも、このアルバムは、個々の楽曲の質、アルバムの構成が抜きん出ています。一度回し始めると、いつも、Aisle of plentyのエンディングまで一気に聞いてしまいます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?