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Phil Woods, Tommy Flanagan, Red Mitchell ‎/ Three For All

■ Phil Woods, Tommy Flanagan, Red Mitchell ‎/ Three For All
■ 収録曲:Side 1 - 1.Reets Neet(7:11) 2. It's Time To Emulate The Japanese(7:30) 3.Talking(4:32) // Side 2 - 1.Three For All(6:35) 2.You're Me(5:38) 3.Goodbye Mr. Evans(7:47)
■ パーソネル: Phil Woods(as) Tommy Flanagan(p) Red Mitchell(b)
■ カバーアート:Elisabeth Winckelmann
■ 録音:1981年

暗黒Doom Metalを載せた直後に、これを載せるかという気もしますが、一応Jazzにはハマった時期がありまして、と言っても、まだLive Under The Skyなどが行われていた大昔です。レコードはおおかた整理しましたが、まだ、今は亡きスィングジャーナル誌のゴールドディスク系の定番などは時々回しますので残しています。そうした中で、フィル・ウッズです。

フィル・ウッズは、大昔にJBLのパラゴンがある某ジャズ喫茶でPhil Woods And His European Rhythm Machine / Alive And Well In Parisを聴いてハマり、クラブにライヴも見に行きました。ほんの数メートルの距離で観たのがいい思い出です。

このアルバムは、1981年enjaレーベルからリリースされたアルバムです。

ドラムレスのトリオによる演奏です。初めて聴いた時には、レッド・ミッチェルのベースの存在感に驚きました。ベース1本で、ここまでリズムが出せるものなんですね。

フィル・ウッズのアルトは一言で表すと優美。ドラムがいないからか、アドリブについても自然とメロディーに比重が移ります。聴いてる側もじっくりと室内楽を鑑賞するように集中してしまうわけですが、それに十分耐えて余りあるメロディーが溢れています。

彼のアルトは、抑揚、緩急、強弱などが効いていて、そうした繊細な音のコントロールというのは、50年代、60年代のジャズではなかなか表現し切れていなかった技巧の進化なのかなぁと思います。録音も相当クリアに進化していますしね。

トミー・フラナガンの演奏は、このアルバムのグッバイ・ミスター・エヴァンスを聴いて、なかなか美しいメロディーを紡ぎ出すピアニストだったんだなぁと改めて感動しました。前年(1980年9月)に亡くなったピアニスト、ビル・エヴァンスに捧げたレクイエムです。後半、抑え気味に、しかもエモーショナルにフィル・ウッズがソロをとります。

当時のenjaは、どのアーチストのものもジャケット写真が秀逸ですね。オレンジが基調の倉庫か何かでしょうか。建物やらゴミの束やらドラム缶やらといった普段人が目も留めないような何気ない日常を上手く切り取った作品ばかりです。


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