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King Crimson / In the court of the Crimson King (クリムゾンキングの宮殿)

■ King Crimson / In the court of the Crimson King
■収録曲:Side 1 - 1.21st Century Schizoid Man (including Mirrors)(7:21) 2.I Talk to the Wind(6:05) 3.Epitaph (including March for No Reason and Tomorrow and Tomorrow)(8:47) // Side 2 - 1.Moonchild (including The Dream and The Illusion)(12:13) 5.The Court of the Crimson King (including The Return of the Fire Witch and The Dance of the Puppets)(9:25)
■パーソネル:Robert Fripp(g) Michael Giles(dr,vo) Greg Lake(b,vo) Ian McDonald (sax,flute,clarinet,key,vibraphone,vo) Peter Sinfield(lyrics,illumination)
■リリース:1969年10月
■カバー・アート:Barry Godber

 キング・クリムゾンのファースト・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」です。

 当時、イギリスには、ドラムス、ベース、ギター、キーボードという一般的な編成に加えて、ブラスを用いて、枯れた感じのブルージーな演奏をする所謂ジャズ・ロックといわれるジャンルのバンドが数多く活動していました。そんな十把一絡げの魑魅魍魎的なバンドとは一線を画しキング・クリムゾンは、この1stアルバムで同様の編成を用いながらも、全く異質で重く荘厳な音世界を築き上げました。

 英国のアルバムチャートでは、当時独走していたビートルズのアビーロードを抜いて1位となったと言われていますから、当時の人々にとって、このアルバムが持つ音の衝撃がどの程度凄まじいものであったか、想像が付くのではないでしょうか。

 冒頭の21世紀の精神異常者(最近の邦盤では21世紀のスキッツォイドマンですかね。21世紀の統合失調症男とか・・・。)ではブラスセクションとギターの厚み、イコライザーを効かせたボーカルが異常な緊迫感を創り出しています。中間部のちょっとミッションインポッシブルっぽいインストルメンタル部分は圧巻です。

 続く風に語りてではフルートが、ちょっとクールダウンしたいい味を出しています。
 エピタフでは、メロトロンによる重厚なイントロを経て、ギターのアルペジオを伴奏にピート・シンフィールドの詩をグレッグ・レイクが切々と歌い上げます。

 B面に移り、ムーン・チャイルドはまさに幻想的音世界そのもの。切ないメロディーラインが、某演歌のサビにパクられてる気がしてるのは私だけでしょうか。

 終曲クリムゾン・キングの宮殿では、再びメロトロンによる壮厳な交響楽的演奏が繰り広げられます。古の宮殿の物語。このアルバムにおけるメロトロンの使い方は、後の数多くのプログレッシヴ・ロック・バンドに影響を与えましたね~。メロトロンという名称で想像される音そのまんまです。宮殿は、歌詞はそのままなのですが、もともとは、ピートシンフィールドが作った全く異なるフォーク調の曲だったそうです。これをイアン・マクドナルドが書き直したのだとか…。

 はじめてこのアルバムを聞いたときは、エピタフのボーカルのメロディーラインが異常に演歌臭く聞こえ、微妙に拒絶反応を起こしてしまいました。また、ムーンチャイルドの後半部分は全く意味不明でした(今でもそこは意味不明ですが^_^;;;)。

そんなこともあり、クリムゾンはウエットン時代の暗黒が一番だ、これこそロックだとず~っと思っていたのですが、改めて、最初に載せるクリムゾンを選ぼうと熟考した結果、すべてのクリムゾン・サウンドの素地はやはりこれに尽きるなぁと、…この大顔を選ぶことにいたしました(^^)


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