こんばんは、もるぴーです。先日、友人から面白い記事が送られてきたので少し本記事についてお話したいと思います。※婚活記事ではありません。大変申し訳ございません。

紹介記事:「オタク」になりたい若者たち。倍速でも映画やドラマの「本数をこなす」理由　https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83898

　記事のタイトルは「オタク」になりたい若者たち。倍速でも映画やドラマの「本数をこなす」理由です。この記事のタイトルを見た時、時代も変わったなと大変驚きました。少し前まではオタクは犯罪予備軍として捉えられ、隠すものであってもなりたいものではなかったですから。

　何故オタクになりたいのか？というところに関しては記事の内容から掻い摘んで言うとオタクになることが生存戦略に役立つからだそうです。訳が分かりませんね。もう少し説明したいと思います。

　記事によると、最近の学生さん（別に若い人に限った話ではないですが）は、学校、サークル、アルバイト先等多数のLINEグループでそれぞれコミュニケーションを取り、仲間外れにされないよう話題に着いていくことに必死なようです。そして、最近その話題の元がアニメ等の二次元コンテンツとなる場合があるそうで、例え興味があろうとなかろうが仲間外れにならないためにアニメを視聴し、話についていかなければなりません。故に、コミュニティ内で生き残るため、アニメの知識を沢山持っているオタクになりたいんだそうです。つまりアニメ視聴は、コミュニティ内での生存戦略の一環という訳です。その他、エントリーシートの趣味欄を埋めるため、個性的でなければいけないという社会的抑圧から逃れるためという理由もあるそうです。

　記事を読む前は、どこか軽蔑的な理由でオタクになりたいと言ってるのだろうと思っていたのですが、結構切実な理由なようです。ただ、アニメが本当に面白くて視聴してきた身としては、社会的に排除されないためにアニメを観るという行為には正直、驚きと怒りを覚えます。しかし一方で、どこか共感のような寂しさと辛さも同時に覚えます。

　アニメ視聴の醍醐味は、視聴中や放送・配信までの期間にワクワク・ハラハラを感じ、或いは考察し、視聴後に自分の想いや考えをしたため、これらを他の視聴者と共有するところにあると思っています。こういった醍醐味をすっ飛ばして、ただ仲間外れになりたくないからという理由でアニメを見ても微塵も楽しくないです。また、アニメは30分弱という時間の中で1秒以下のコマ割りでストーリーをどれだけ面白く見せるか考えながら作られる訳ですから、そういう作品を倍速視聴してしまえば折角の演出も台無しになり、ワクワク・ハラハラなんてあったものじゃないです。自分でもお前は何様なんだと思う発言ではありますが、紹介記事でいう若者はアニメ自体を楽しむのではなく、ただただアニメを話題の道具として消費しているだけに見え、純粋にアニメを楽しんでいる身としては大変残念です。

　一方、程度の差はあれど人間何歳になっても社会に取り残される不安はあるもので、仲間外れにされたくない、何か趣味を作って個性的になりたいという気持ちも凄く分かります。授業後、バイト後にSNSを開けばフォロワー万越えのアカウント、同じグループの知り合いの煌びやかな画像ツイートが多数目に入り、特に趣味もなく、漠然とした自身の生活と対比してウンザリしたり焦ることもあると思います。就職活動になれば埋まらないエントリーシート、ありきたりな面接アピールしか出来ない自分に嫌気が差すこともあるでしょう。自分も同じような経験をしていますから周りに付いて行くこと、個性的であることの辛さは知っています。

　ここまで全部ひっくるめて驚き、怒り、寂しさ、辛さがごちゃ混ぜになった感情が湧いて出てくるんだと思います。

　人生を歩む中で人それぞれの葛藤、戦い方があるので、社会的に排除されたくないからアニメを観るという行為に対してこれ以上とやかく言うつもりはありません。ただ一度、自分が面白そうだと思ったアニメを等速再生で視聴し、好きな作品だったら関連グッズを見てみたり、買ったり、ライブに行ったり、同じ作品を見た人達と語らったりしながら一つの作品をじっくり楽しんでみて欲しいと願います。

　一つの作品を楽しんでる内にLINEグループの人達に置いてけぼりにされるかもしれません。しかし、同じ作品が好きな友人は時間をかければかける程多くなっていく筈です。そして、一つの作品を追い続ける内にエントリーシートや面接でアピールできる他の人がしたことがないような体験もできる筈です。ここまでいけばあなたは正真正銘のオタクです。

　世の中には沢山面白いアニメ作品がありますので、一度全ての不安を隣に置いて、じっくり一つのアニメを楽しんでみては如何でしょうか。

　以上となります。お気持ちが大きすぎて前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが、じゃどのアニメじっくり見りゃいいんだよ！って方のために2021春アニメ5作品をご紹介しますのでご参考にして頂ければ幸いです。

Vivy -Fluorite Eye's Song-　

　時は2061年、歌姫として歌で人を幸せにする使命を与えられたAIヴィヴィは、いつもガラガラのライブ会場で使命に従い、淡々と歌い続けていた。そんなある日100年後の未来からやってきたAIマツモトから、人類を救うために全AIを滅ぼす「シンギュラリティ計画」に協力するよう求められる。協力に渋々応じたヴィヴィはこの計画を通して、様々なAIや人間と関わるようになっていく。人類の行先、そして「心を込めて歌うとはどういうことか」という問いに対して彼女が出した答えとは。

　ストーリー、映像、音楽全てがここ数年のアニメの中でトップクラスと言っても過言ではないです。繊細な作画と共にヴィヴィと人、AIとの触れ合いが丁寧に描かれており、非常に見所の多い作品です。一番のオススメ。

NOMAD メガロボクス2

　ギアと呼ばれるパワードマシンを使ったボクシング「メガロボクス」。この競技の実力者であったジョーは様々な苦難の末、薬物漬けの放浪生活を送ることになる。旅の途中、カーサという移民コミュニティーに所属するチーフというメガロボクサーとの出会いをきっかけにジョーに大きな転機が訪れる。

　原作はかの有名なあしたのジョー。ハードボイルドな世界観と共に各キャラクターの心境、生き様が丁寧に描かれており、悪役を含めた全キャラクターが大変魅力的な作品になっています。また、ボクシング描写も非常に気合いが入っており、手に汗握ること間違い無し。一期から観ることをオススメします。

オッドタクシー

　41歳のセイウチタクシードライバーの小戸川宏は、身寄り無し、面倒ごとは大嫌い、少し偏屈で他人との距離を置きたがる変わり者。類は友を呼ぶのか乗せる客も曲者揃い。いつも通り客を乗せ、何気ない会話をしていく内に、彼はある少女の失踪事件に巻き込まれていくこととなる。

　ぱっと見では只のキャラものアニメと思うが実際はその逆。回を追うごとに何気ない客達との会話が物語の核心に繋がっていくストーリー構成は必見もの。また、映像や音による演出が素晴らしく、ストーリー、映像、音の全てで視聴者の心を鷲掴みにする傑作になっています。

シャドーハウス

エミリコが一生可愛い。

※ストーリーも非常に良いです。可愛い女の子キャラが多いため勘違いされがちですが、ミステリーもので作者がシャドーハウスの世界観に合わせて原作時点でCADを使って作品中の構造物を作るぐらいには気合いが入った作品です。可愛い女の子×ミステリーという珍しい組み合わせが新鮮で見応えのある作品です。

スーパーカブ

恵庭椎しか勝たん。

※あのスーパーカブを題材にした作品でカブ開発元の本田技研も監修として参加した作品になります。スーパーカブの魅力を思う存分に味わえる作品で、バイク好きも唸る程カブの描写に気合いが入っています。スーパーカブでの旅を通して各地の自然風景の素晴らしさやツーリングの楽しさを感じさせてくれる作品なので、日常生活に少し疲れた方にオススメしたい一品となります。あと、本作品はフィクションです。ご了承下さい。

P.S. オタクになってもモテないのでオタクにならない方がいいです。