朝食にコーヒーでも、と思い、夫のぶんと二人分の豆を挽く。が、ひけない。硬い。

ぐぬぬぬぬ、と力を入れて、どうにかハンドルを回そうとふんばるが、ガガ、ガガ、とわずかに動くだけで、うんともすんともという感じ。
すでに疲れた。腕がいたい。

頼りの夫は、風呂にいったばかり。
ここは、わたしがやらなければ。
ふんぬ！と再度ありったけの力をこめてみるが、ゴ、ガ、と何かつかえたような音がして、豆がひける気配はない。

そういえば、このミルは、夫のお友だちがくれた大事なやつだ。
力ずくで豆を挽いて壊してしまったら、夫に申し訳がたたない。

わたしは無理をしないことに決め、風呂あがりの夫にバトンタッチする。
「そうなんだよー、豆硬いんだよね」と言うと、夫はハンドルをゴリゴリと回しはじめる。

「これは！いい！筋トレになるね！」と言いながら、あっという間に豆がひけた。これが力の差。

浅煎りの豆を買ってみたので、いつもより硬かったみたい。豆は、あと二週間ぶんはある。

二週間後には、わたしの貧弱な二の腕にも立派なコーヒー筋が育っているかもしれない。
乞うご期待！なんちゃって。