テニススクールとファントム100と私

この記事はプリンスのテニスラケット、
新ファントム100のヒロまー流インプレドキュメントである。

■異世界

通っているテニススクールで現在ラケットキャンペーンを開催中。
ということで、前から気になっていた新ファントム100を試打することにした。

プリンスのテニスラケット、ファントム100のニューモデル。
「ファントム」は、幻影やまぼろしという意味。
なぜそう名付けたのか由来は知らないが、響きがかっこいいのは確かだ。
ネーミングは重要。

正直スペック的に、自分には合わないラケットだと思っていた。
もっとレベルの高い、異世界の人達が使いこなすラケットだと。
だからこそ、この機会に試打しておこうと考えた。
いつの日か、自分もこういうラケットを使いたいという憧れの気持ちもあった。

これが新ファントム100。もはや芸術作品である。

まず実物を手に取って眺めてみる。
うん、見た目はかなりいいじゃん。

第一印象はやはりフレームが薄い。
その影響なのか、フェイスサイズは100インチのはずだがそれより大きく感じる。
もしかしたら歳をとって、目が悪くなってきているのかも知れない。
さっさと眼科行け。

グロス塗装で、スロートを持った時の感覚がいい。
何気にこの感覚は個人的にかなり大事にしている。
スロートが滑ってしまうラケットは扱いづらくて苦手だ。
ギャグを言って滑っても気にしないタイプなのだが、スロートが滑るのは非常に気になる。

■予想外

レッスン開始。

最初はコーチからの手出しのボールを打つ。
薄ラケということで、初球は力を入れて打ったら意外にもアウトした。
思ったより飛ぶじゃん。

そのあとはいつも通り打ってみた。
距離が短くなる印象もなく、いつもと同じように打っても問題なく飛んだ。

あれ、意外と扱いやすいのか?

正直もっとハードで、飛ばないと予想していたので良い意味で予想外だった。

打っている時に重いと感じなかったが、後で調べたら重量305gということで普段使っているラケットより少し重かった模様。

バランスポイントが315mmと若干トップライトなので、黄金スペックのラケットを使っている方なら重さは気にならないと思われる。

■感覚

次にストローク。
打っていて感じるのは、まるでラケットではなく手で打ってるようなダイレクト感。狙ったところにボールがちゃんと飛んでくれる感覚。
打つ瞬間はボールが乗ってくれる感覚もある。
それがコントロールのしやすさにつながっているのだろうか。

これまで使ったラケットでも同様の印象を受けたラケットはあったが、
それをさらに上回る感じ。

なんじゃこりゃ!?

打感は薄ラケということで、ハードなのではないかと心配していた。
実際に打ってみると柔らかいのに、しっかり感もある。
この2つを高いレベルで両立させるのは簡単ではないはず。
なんて懐の深いラケットなんだ。良い意味で裏切られた。

現代プレーヤーのわがままなニーズに、しっかりと答えを出してくれた。
それが今回の新ファントムなのか。

また打つ瞬間はボールが乗ってくれるためか、打ちごたえもある。
理屈抜きで、打ってて気持ちいい。

もし他のボックス形状の薄ラケも同じような感覚なのだとしたら、それにこだわるプレーヤーが根強くいるのも納得。
この感覚はラウンド形状のラケットでは味わえない。

■謎

続いてボレー。

薄ラケでむずかしいのはボレーの印象があった。
また自分はボレーがうまくないので一番心配していた。
果たして、どうなるのか…

実際にボレーを打ってみる。

ここでもまず顔を出すのはダイレクト感。
いや、ストロークよりボレーの方がより顕著に感じられる。
微調整をして打つと、それを拾ってラケットが反応してくれる。
なんて繊細なラケットなんだ。
人間は繊細だと扱いづらいが、ラケットは繊細でも扱いやすい。

ボレーでも打った時にボールが乗る感覚がする。
薄ラケなのにパワー不足を感じない。
ストロークと同様にボレーも気持ちいい。
いやストローク以上か…
ボレーがうまくない自分でも、ボレーを気持ちよく打てる。

なぜだ!?

普段使っているラケットと一体何が違うんだ!?

■正体

ボレーを打ちながら、己の全神経を研ぎ澄ました。
風、光、水、株価、様々なことに神経を光らせた。
そして何度かボレーを打っているうちに気づいた。

…音だ!

打った時の音が気持ちいいんだ!

普段使っているラケットとは違う、独特の打音がする。
多分その影響だ。

すごい心地よい音がする。
それに気づいて打音を聴いていた。
これだけで白飯3杯はいける打音だ。

うまくないはずのボレーが今日は楽しい。
このラケットはすごい。素直にそう思った。

これまでテニス歴の割にいろいろなラケットを使ってきたが、
新ファントム100はどのラケットとも違う個性がある。
感動すら覚えた。
レッスン終了後、思わず写真を撮りたくなったほど。

■囲い込み

レッスン終了後にTwitterで新ファントム100のツイートをしたところ、予想以上の反響があった。

レッスン終了後にしたツイートのスクリーンショット

いろいろなフォロワーさんから、あの手この手でラケットを買うように背中を押された。実はフォロワーさんの多くはグローブライド社の社員なのではないか?と疑うほど。いわゆる囲い込みというやつだ。
この疑惑はまだ解消していない。

やばい。
と言うのも、しばらくラケットは買わないと心に誓っていたのだ。
あの誓いは何だったんだ、と自分自身を信じられなくなってしまう。
小さい頃に「一生のお願い」を何度も使っていた記憶が蘇る。

慌てて買わない理由を探した。
でも大丈夫。慌てるな。
自分には伝家の宝刀があるのだ。

自分は女性よりも手が小さいので、基本的にグリップサイズ1のラケットを選んでいる(一部例外もある)
男性向けのラケットだとグリップサイズ1の設定がなく、購入を見送ったものも過去にいくつかある。

ハードスペックの新ファントム100なので、グリップサイズ1の設定がないのでは?それなら、それを理由に購入見送りにできる。
早速、プリンス公式サイトにアクセスした。

展開グリップサイズに「1」の文字

ビックリした。
ハードスペックの新ファントム100にもグリップサイズ1の設定があった。

グローブライド社は何を考えているんだ?
このハードスペックのラケットのグリップサイズ1を欲しがる人なんているのか?
まさか俺のために開発してたのか?

なんてことだ。
伝家の宝刀が通じないとは。
こんなことがあっていいのか。
そもそもなんてしょぼい伝家の宝刀なんだ。
恥ずかしい。

こうなってしまっては仕方がない。
とりあえず、この週末は新ファントム100の動画をもう一度見直すことにしよう。

きっとこれは幻なんだ。そう思うことにしよう。
ファントムだけに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?