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メキシコの物価上昇について

メキシコって発展途上国で、住むのも安そうというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、今はそうでもありません。

メキシコのインフレーション率

上のグラフ、文字が小さくて見にくいですが、メキシコのインフレ率を1996年から2023年まで示したものです(出典:Proyectos Mexico)。1996年〜2000年くらいまでのインフレ率はとんでもないことになっていますね。その後はだいたい毎年4%前後です。これはつまり、銀行に現金を貯金しておくと毎年4%くらい資産の価値が下がっていくということになります。さらに、自分の給与が毎年4%以上増えなければ、実質給与が減っているということにもなります。

私が10年前に来た時と比べて、値段が倍以上になっているものもあります。牛乳は1リットル10〜12ペソくらいでしたが今は26〜30ペソくらいです(地域にもよるかも)。円安が進み、例えば今日は1ペソが8.5円くらいなので、牛乳1本250円くらい。メキシコは、人件費やサービスなど安いものも多いですが、毎日飲み食いする物の値段がこんなに上がって、メキシコ人はいったいどうやって生活しているんだろうとよく疑問に思います。

こんなに物価が上がるのであれば、メキシコ人があまり貯金しないのも納得かもしれません。普通のメキシコ人は貯金なんてせず、ほとんど使い切ってしまうことが多い印象です。将来大丈夫なの?と心配になりますが、一応年金制度はあり、企業で働いたり、公務員として働いている場合は年金がもらえます。それだけでは恐らく足りないのですが、ないよりはマシですね。

ちなみに物価以外に不動産価格も上昇しています。2022年最終四半期の不動産価格上昇率は9.42%だったそうで、不動産業界は好調です。メキシコ国内のさまざまな都市で開発が進み、新しい住宅街がどんどん建てられています。また、住宅ローンの金利は11%〜という、「ぼったくり?」とも思えるような驚異的な数字です。最終的に支払う金額はいくらになるのかを考えると恐ろしいです・・・私だったら二の足を踏んでしまう金利ですが、普通の人は土地や家をキャッシュで買えませんから、不動産を購入する人の多くは住宅ローンを組むことになります。

ただ、不動産に関して言えば、投資対象としては非常に魅力的ではあります。昔買った土地の価値は今とても高くなっているでしょうし、「今後も価値は上がるだろう」という楽観的な見方がメジャーであると感じます。

さて、今日は少しだけメキシコの経済のお話をさせていただきましたが、いかがでしたか?「興味深いなぁ」と思っていただければ幸いです。
それではまた次の記事でお会いしましょう。

Nos vemos pronto!
Pachi

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