見出し画像

Q9 「再エネ」そもそも温暖化は嘘なんじゃないか

今回のシリーズではパシフィコ・エナジー株式会社の社長の松尾大樹が太陽光発電所に関する様々な疑問に回答します。

今回は太陽光発電の枠を超えて、そもそも地球温暖化について私がどのように考えているか書いていきたいと思います。

まず事実として以下3つの点を順を追って見ていきたいと思います。

1.産業革命以降人類の活動によって排出されている二酸化炭素は指数対数的に増えた。


環境省『学ぼう!地球温暖化:WG3 緩和』

2.また二酸化炭素など人間活動から排出されてきた一部のガスには温室効果がある。

気象庁「温室効果とは」

3.地球全体の気温は上がっている。

気象庁:世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2022年)

産業革命以降人間の活動から排出されるCO2は指数対数的に増えていて、地球全体の気温は毎年上がったり下がったりはあれど100年で0.74℃のペースで気温が上昇している。つまり地球温暖化は事実であるようです。

そして地球温暖化によって生じる深刻な問題は以下のようなものと言われています。

① 海面上昇による国土の消失
② 農作物、水産物の不良
③ 自然災害の激甚化
④ 新たな感染症拡大や健康被害

これらは日本で起こる問題であって我々の生活に身近にある危機です。これらにより将来起される被害と費用は甚大なものであり今から世界中で一致して取り組まなければならない世界共通の問題となっています。


また私が再生可能エネルギー電源を日本にこだわって造りたいと思っている理由は地球温暖化の問題と同等、もしくはそれ以上に

日本のエネルギー安全保障の問題の深刻さ

によります。
下図の現在の日本のエネルギー自給率を見てみましょう。

資源エネルギー庁:日本のエネルギー 2021年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」

日本のエネルギー自給率は僅か12.1%しかありません。これはシンプルにヤバイです。

1970年代のオイルショックによって一気に危機感が芽生えた日本は1980年代からは原子力を基本として20%くらいまでエネルギー自給率を高めていきました。そして2011年の福島第一原発事故以降原子力発電が全停止され火力依存が高まることでその後わずか一桁で推移していきました。足元では原子力発電所の再稼働と再エネの導入によって12.1%まで戻していますが、余りにも不足していると思います。

経済産業省 エネルギー白書2020

皆さんの記憶に新しいところでは2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後に行った経済制裁によって石油・ガスの流通が滞りエネルギー価格の高騰を招きました。日本はサハリンの石油・ガスの依存をやめられるはずもなく、輸入を続けています。

今後もし台湾情勢が緊張し、シーレーン封鎖によって中東からの石油・ガスが滞ったら日本はどうなるでしょうか。世界が平和でグローバリゼーションが浸透しきった昨今までは偏った輸入依存でも安心だったのかもしれませんが、日本の周辺で緊張が起こった瞬間にその安心感は霧散します。

電力は命に直結するライフラインです。ライフラインの燃料供給のほとんどを海外依存し続けることは国家安全保障上のアキレス腱になりかねません。私は国産電源の割合を少しでも高めたいと思っています。再生可能エネルギーの中で、燃料として海外木材を輸入しているバイオマス発電は国産エネルギーとは言えないので当社では扱っていません。

「再エネ賦課金」の回でお話しましたが、現在化石燃料高騰によって卸売電力価格が高騰していて、産業や生活を直撃しています。一方で化石燃料高由来で卸売電力価格が上がると再エネ賦課金は下がり再エネのための国民の負担は下がっていきます。

私はこれを化石燃料の高騰による相対的なものだけでなく、再エネ電源の買取価格を安くすること(=安価な再エネ電源を造ること)によって電気全体の価格を下げ、わが国の産業や国民の生活を支えると共に、エネルギー安全保障の向上に少しでも寄与したいと考えています。

「太陽光発電所疑問解決ノート」の他の記事についてはこちらよりご覧いただけます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?