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除菌シートのパッケージコレクション

これからのニュースタンダード!傍にあることが当たり前になった
除菌シートのパッケージコレクション!

こんにちはパケコレです。
無事パケトラが復活されたこと、おめでとうございます!
今後もパッケージのトピックをぼちぼち集めて発信していければと思っております。
宜しくお願い致します。

今日は規制が緩和されて日常を取り戻しつつある生活に必須となった「除菌ツール」の特に
「除菌シート」に関して特集を行っていきたいと思います!

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〈この記事の概要〉
▶個々のパッケージの特徴
▶コミュニケーションの分解―そのパッケージは何を表現しているのか/そのパッケージからどんな印象をうけるのか
▶デザイン手法の分解―そのパッケージはデザイン的にどうなっている?/表現方法
▶サブトピックス
パッケージの評価軸と文化的背景
ユニバーサルデザインに基づいた考察
このコミュニケーションの分解とデザイン手法の分解
の2方向の視点でパッケージの分解していきたいと思います。

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今回除菌シートを見ていく上でおそらく気になるところは「除菌」の効果がありそう
というところ。正直成分見て「アルコールタイプだから効果がばっちりあるね」
やこのスコッティのように「有効成分塩化ベンザルコニウム0.05%」が入っているからこの除菌シートは有効だぞ!
なんて思うわけもなく、「お、なんか効果ありそうだぞ!?」と思って買うのが一般的な人の購入の仕方かと思います。
そんな視点で見ていくと、なにをどう評価軸にするか。
によって表現が変わってくる面白さが見えてくると思います。


▶個々のパッケージの特徴

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今回は手軽に手に入ったこの4点を軸に見ていきたいと思います。

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クレシア スコッティ ウェットティシュー消毒 10枚

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スコッティの場合はザ・王道除菌できそう!といった印象
消毒という大きな文字に対して、手のイラスト、赤色でポイント使い
デザインのあしらい方もグラデーション多様で「医薬品」のような少しカッチリした印象ですね。
正直、持ち歩く・日々のお供にするには持ち物との相性は悪いけれど、
手を清潔にしたいと欲求があったときに役割を果たす機能があるから持ち歩くといった
感じでしょうか。 
正直、「有効成分塩化ベンザルコニウム0.05%」は読まないし理解できませんね。
手荒れしなければいいや。筆者はなんて思ってしまいました。

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セブンプレミアムライフスタイル アルコール除菌ウェットティシュ 

30枚

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セブンイレブンは、最近PBブランドのデザインを変えたことで有名ですよね。
「しっかり除菌」と、機能を名前で伝えてしまうことで何をできる商品なのか名乗っていつつ、
しっかりと力強い視認性の高い書体と、ニュアンスが美しいブルー基調の
シンプルなデザインになっています。
協調したい「アルコールタイプ」を白抜きで引き立つように作られていると感じました。
こちらは、スコッティとは大きく違い枚数も3倍と多いため
ずっと持っていても違和感がないようなデザインになっています。
私の中では「しっかり除菌って書いてるし、大丈夫やろ(なんとなく)」と思って買ってしまう
ようなイメージですね。
「対策」としてはそれでいいのかわかりませんが、きっと目的と役割が違うんじゃないかとパッケージからは感じました

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イータック除菌化ウエットシート 10枚入

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こちらもスコッティ同様医薬品のようなトーン&マナーのデザインで
「除菌化」という文字をセンターにし、訴求を行っています。
「除菌・除菌!」という読みにくい文字と全体的な雰囲気で「これも除菌ウエットシートかしら?」と購入してみましたが、個人的にはかなり視認性が低く、
文字組もヨコ・タテ混在でつらいものがありました・・。
色見も白黒にしたときにまったく読めないような気がします。
もしかしたら、もう少し色に抑揚が必要かもしれませんね。

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マンダム 除菌ウェットシート 99.99%除菌

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こちらが一番驚いたパッケージなのですが、「マンダム」から発売されていて、
訴求内容も「99.99%除菌」!!と攻め・攻め・攻め
なデザイン
しかも「しっかり除菌」のとっても見やすい訴求文言。
こだわりの2重包装になっており。外は訴求の役割のみ。
中は持ち歩くときにかっこいいマンダムらしいボディシートのようなデザインに
包装自体の色もシルバーで、まるでボディシートのようなデザインですっきりと美しいですね。
正直「攻め」すぎていて、女性である私としてはそんな別にここまでしなくてもいいかな・・
とは思うのですが、男性が持つとピッタリかも?しれないなと思いました。
しかし、カバンの中に入れていたらボディーシートと間違えてしまいそうです。


▶コミュニケーションの分解―そのパッケージは何を表現しているのか/そのパッケージからどんな印象をうけるのか

今回の「除菌シート」に対して人々は「ウイルスを除去する機能」と「携帯することによる安心感」を商品に対して求めていると思います。
機能性に関しては、「除菌って書いてあるからこれだ」という感情と「効果ありそう」というイメージからおそらく購入に至っているのではないかと思っています。
それらのインサイトに対して、今回取り上げた4商品はどれも手法を様々に工夫しながらも
訴求ができているように思えました。
スコッティ 「消毒」という文字をメインに訴求しているため、機能がわかりやすい
セブン 名前が機能を伝えている
イータック 「除菌・除菌!」というコピーによって機能を訴求している
マンダム 99.99%除菌という数値での訴求と、「しっかり除菌」などの訴求文言で
機能を2軸(数値的エビデンス・除菌というワードで機能を訴求)で訴求しています。

▶デザイン手法の分解―そのパッケージはデザイン的にどうなっている?/表現方法


「機能の訴求」に加えて、「携帯することによる安心感」や持ち歩いていたいというところまで
カバーをしているようなデザインが、マンダムと、セブンイレブンです。
両社は訴求情報を極力抑えつつも機能を伝えています。
逆にスコッティやイータックはアイコンを入れどんな風に使うものなのか
までパッケージで訴求を行っている特徴がみられました。
どちらが良い・悪いではなく、各商品のターゲットは
大衆一般的に好まれるデザイン「セブン」「マンダム」

安心感・理解納得をして購入したい人は「スコッティ」「イータック」なのかもしれません。
心理作用な部分も多くあると思うので、時と場合によっておそらく自然と買い分けている
のではないかと感じました。


▶サブトピックス

サブトピックス1:パッケージの評価軸と文化的背景

「ウイルス対策」が当たり前になった今、求められているデザインは
「生活になじむもの」「長く使っていけるもの」となると、
大容量パックでシンプルに、、といったデザインと商品になってくるのではないかと
感じました。
逆に、スコッティやイータックは従来のポイント使い(たまにピクニックとかお出かけで急に必要になった人たちに向けて作られた商品)だったのではないかと思いました。
スコッティに関しては、この背景からシンプルな大容量の除菌シートを販売し始めたようです。

サブトピックス2: ユニバーサルデザインに基づいた考察

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また、今回気になったのが、スコッティのUDデザインに対してです
基本的に文字が大きく読みやすいとは思いますが、緑とキーカラーに赤を使っているので
色覚特異体質の方にとっては少し見づらいものがあるように感じました。
以外に、イータックは青と黄色を使っているので見やすいですね。
マンダムとセブンもまったく問題なく見えます。
こういった衛生用品や、生活必須用品に関してはよりユニバーサルデザインの考え方を
取り入れられたデザインが広がってくると素敵ですね。



感想


除菌シートを取り上げようと思ったものの、世の中に出回っている除菌シートの
デザインなんかぜんぜん工夫もなく、白地に黒文字で「除菌シート」しかないのでは・・
と一瞬ハラハラしましたが、各社工夫をこらしていてとても楽しかったです。
どれが悪い・いいではないと思うので、デザインを作るときの参考や、
自分だったらどれを所有したいかという価値基準で今後売り場や商品を見ていただけますと
うれしいなと思いました。
また、超個人的にUD(ユニバーサルデザイン)に興味がでてきているので
今後せっかく分解するのですから、一つ一つ記事を書いていくうちに
知識がたまっていくのではないかと思っております。
ユニバーサルデザインの考え方は10年前に定義をされてからもてはやされましたが、
最近は忘れられそうになったり、10年も前なので知識のないデザイナーがどんどん進出をしてきているように感じており、昔のUDの定義もなんだか更新されていないこともあるので
この際分析・分解して、再定義しちゃえば面白いかなと思っております。
豊なパッケージの知識があればどんな世界の見え方で、どんな価値観の人でも楽しい世界を作っていきたいですね。

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

以上パケコレでした。


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