ローソンのパッケージ論争はなぜ起こったのかを考察


アートボード 2

こんにちはパッケージを趣味で特集しているパケコレを運用しています。

最近はオサボリ気味ではありましたが、面白いトピックがありましたので

少しばかりの知見をアウトプットできればと思います。

テーマは表題にもあるように

ローソンのパッケージ論争はなぜ起こったのか


私が気になった呟きはこちら


これには大きなコミュニケーションエラーが発生してしまっているなと感じました。

デザインの意図や想い、と

消費者のニーズは違うのですね。

その間合いがうまいのが「良い」パッケージデザインだと定義した場合

今回何が要因でエラー=不快感

が生まれたのか分析していきたいと思います。


多角的にみたパッケージデザインの分解解剖をお届け!

〈この記事の概要〉
パッケージコミュニケーションの分解
そのパッケージは何を表現しているのか
そのパッケージからどんな印象をうけるのか
パッケージの評価軸と文化的背景

デザイン手法の分解
そのパッケージはデザイン的にどうなっている?
表現方法
ユニバーサルデザインに基づいた考察

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パッケージコミュニケーションの分解

そのパッケージは何を表現しているのか

画像2

シリーズのラインナップが多いため、今回は納豆さんを代表とさせていただきます

このパッケージは何を表現しているのか・伝えたいのか

と問われた時に答えるならば、なんとお答えしますか?

文字からの情報しかないことで瞬間的な答えにくさが出てきてしまっています。

アートボード-3

「納豆」を表現するにあたって、みなさんが想像する「納豆らしさ」といった要素が表現されていない。これがコミュニケーションエラーのきっかけの一つとおもいました。

ここが「コンビニ」という数秒単位での戦場において

コミュニケーションエラーが発生してしまっています。


そのパッケージからどんな印象をうけるのか

これらの要素が絡み合った情報訴求として「わかんない」という印象になったのではないでしょうか?

しかし、単品で見る印象は情報訴求とは違います。

柔らかくて、暖かい おうち時間やライフスタイルに対して近しい印象を受けます。

ベージュで構成されたベースカラーに、丁寧に描き込まれたイラスト

大胆さはないですが、「豊かな生活」感をテーマとしたデザインだと感じました。

ただ、先ほども述べましたが「コンビニ」という戦場に置いてこの繊細さは

アートの領域。

マックでゴッホの絵画をじっくり見る

なんてしないように。人々の関心・欲しいものはそこではなかったことが今回の話題性で浮き彫りになりました。


パッケージの評価軸と文化的背景

アートボード4

このいろいろ言われているパッケージの評価軸に考えてみたいと思います。

今回まず大前提としコンビニで図るコミニケーションではなかった

ということがあると思います。

コンビニの滞在時間は約1分40秒ととても短い中、

人々は目的購入でサクサクと買い物を済ませてしまいます。

そんな中であのパッケージで訴求されたら「??????」

と脳内のバグが起きるのも仕方がないと思います。

つまりは全然伝わってないから起こった悲劇だったと言えます。


過去のコンビニに置かれる商品のパッケージは

みやすい・分かりやすい・買いやすいといった「視認性」が高いものが

多くを占めていました

ダサい=視認性が高い

だったのかもしれませんが、じつはしっかりと皆様にとって「分かりやすい」

へと貢献していたのです。



デザイン手法の分解


それではパッケージデザインのデザイン要素を分解していきたいと思います。


そのパッケージはデザイン的にどうなっている?
表現方法
ユニバーサルデザインに基づいた考察

画像2

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納豆パッケージ NATTO  ひきわり納豆


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豆腐 TOHU きぬ豆腐


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牛すじ煮込み 甘辛醤油だれで煮込んだ深みのある味わい


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炭火焼きチキンステーキ


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かぼちゃサラダ

そのパッケージはデザイン的にどうなっている?

デザインの構成

アートボード-2-のコピー

ベースカラーをベージュ、キーカラーをブラウンで

統一させることによってローソンの目指すべき


・女性需要の増加(働きママ応援・独身女性強化)

・競合であるスーパーとの差別化(お惣菜需要獲得)


を狙ったデザインになっています。そこに付随させて


・おうちにあっても違和感がないデザイン


というエッセンスを付け加えてこのデザインの骨子ができてきたような

気がします。

それらのワードを踏まえてじっくりみてみると、

別に悪いデザインではないのではないでしょうか。

しかし、前半でのべたコミュニケーションの部分が破綻していたため、

「デザインが悪い」

と言われてしまったのではないかと思います。

デザインに携わるものとしては、そう一概に言われてしまうのは悲しいなと思います。

個人的な見解を述べさせていただくと、

今回のPBは使い所を選定すれば成立したかもしれないなとおもいました。 

おそらく趣向品系のお菓子系のデザインであれば、違和感なく受け入れられたかもしれません。なぜなら、デスクに置いていて可愛らしいデザインですから。

しかし、日常消費系の商品に関しては分かり難さというところが大きくネガに

働いたのですね。

実際に「見にくい」と声が上がっていたのは日常消費系の牛乳・納豆・お惣菜系でした。

人はそんなに文字情報をじっくり見てものを買わない。

ということが顕著に現れたことが、個人的には面白く感じました。



ユニバーサルデザインに基づいた考察

全ての人にとって、見やすくて、わかりやすくて、買いやすい

ということを基準にユニバーサルデザインとするのであれば。

今回のパッケージは

文字が小さくて見にくい

ビジュアルがさりげないため、どう違うのかわかりにく

文字情報しかなく、連想できるイメージもないためわかりにくい


結果買いにくい

という結果に繋がってきますね。


以上

私の私見も踏まえつつの分析でしたが

どうして引き起こされたのか要因を考察でした。






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