母の再婚相手は、お酒を飲むと手を上げる人間だった。
母も再婚相手には服従していた。

見ていられなくて、私は自分の部屋にいることが増えた。

再婚相手に怒られ、泣きわめく母の声は私の部屋にも届いていた。
ある日の夜。兄が再婚相手に「母が首を吊っている」と言った。
母は2階のバルコニーでヒモを使って首をしめていたのだ。

どこまで自己中心的な母なのだろうか。
勝手に離婚をして勝手に再婚して、勝手に私達をおいて死のうとした。

救急車と警察がきて、怖くて部屋にこもっていた
そっと警察の方に行くと
「こんなことになっているのになんですぐ出てこなかったんだ」
「お母さんが心配じゃないのか」
警察は全く私達の声を聞いてくれなかった。

私は、「再婚相手の暴力が理由で母が自殺しようとした」
それを言いたかったのに。何も言えなかった。

母は死ねなかった。
そしてまた同じことを何度か繰り返した。
うつ病の症状もあったのかもしれない。

今は元気に生きている。
私の心には、大きな傷が出来ていることも知らないで。

警察は嫌いだ。