月輪観大事6

五字旋陀羅尼の事2

さきに訶字門において因果不可得と釈すること前の如しであります。

ケン(キャン)字門虚空不可得でありますが、そのような因果の無限の広がりと相互依存相互関係と言うのは人間の頭では捉えきれないものであります。
永遠の過去から今に至るまで、無限の広がりと相互依存相互関係で私がいる。
その広がりは虚空のように果てしなく、一瞬ごとの生滅は幻のようであります。
虚空のように果てしなく、幻のようであり、無限の広がりがある。
禍福は糾える縄の如し。煩悩即菩提。
このような事態はイイとか悪いとか言えるものではありません。
ラ字塵垢不可得であります。
そのような事態は言葉で説明しつくすことはできません。
無限の広がりと相互依存相互関係というのは、説明しきれないのです。
お経に「一劫説くとも説きつくすことはできない」と書いてあるのはそのようなことです。これがバ字門言説不可得です。
そのように、全てのことは一瞬一瞬にある。それは無限の過去からここに至るまでそのようにあります。如如です。
阿字本不生不可得であります。

つまり、虚空のように如如としてあるがままに諸法はある。
諸法があるのですから、自分もそうだということです。

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