この前。紹介された女性が、上京して夢を追って仕事をがんばっていて、きらきらしていた。

店をあとにし、帰りみちにその女性について話を聞いた。

「彼女の夢を追う生き方や、行動力を、すごく尊敬してるんだ」

私はその言葉を聞いたとき、ああ、彼は生まれてから今まで、挫折したことがないんだと思った。

そして、挫折した人も周りにいないんだと思った。だってもしいたら、そんな無神経なこと人に簡単に言えないはずだから。

そのまま真っ直ぐ、頑張ったぶんだけ報われる経験ばかりの人生を生きてこられた幸運を羨ましく思った。私はその人が大好きだったから、

あなたがいつか、どれだけ頑張っても報われなかったとき。素直に前にいる人を追いかけたり、夢を語ったりできなくなったとき、私が隣にいてあげるね、と思った。

前向きな世界が好きで、頑張って高みを目指している人が好きで、その人たちを真っ直ぐ肯定するあなたが、頑張ってもだめだったとき。結果が出ないことを、受け入れて隣にいさせてほしいと思った。

いつか夢見がちでない話をたくさんしよう。

今日のうた
金色/羊文学