ナンちゃんを思い出した。
誕生日だった。ナンちゃんから、おめでとう!とだけ連絡が来た。別に来ないだろうとも来るだろうとも思っていなかったが、くれるんだ、と思った。お母さんに、ナンちゃんまだあなたのこと好きなんじゃないの?と言われたが、好きとか、ヨリを戻したいとか、今度会いたいとか、そういう言葉を後ろに隠したハッピーバースデーなんかじゃなくって、私が産まれた日だから、おめでとうと言っておかなきゃなと思って、ただおめでとうだけを言いにくるような人だと知っていたから、それはないよと返した。案の定ナンちゃんは