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全てうまくいきますように

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    過去にお付き合いしていた「ナンちゃん」のはなし。

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    おすすめの本を投稿します。

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検査を続けていた未来を考える

もう叶うことのない日常を、供養します。 私が想像していた、「その後 慣れることができた」バージョンの世界。 ⋮ 私はとある会社の正社員、検査職。 仕事も段々と慣れてきた3年目の夏。朝起きるとすぐにトースターでパンを焼き、立ったまま食べる。適当な冷凍食品をタッパーにつめて、スーツに着替え、お姉ちゃんにいってきますをして、家を出る。 駅のホームに着くと、たまに会うことのできるショートボブの「天使」に遭遇。ラッキー。 今日は頑張れそう。 会社に着いたら、スーツから白衣に

    • ナンちゃんを思い出した。

      誕生日だった。ナンちゃんから、おめでとう!とだけ連絡が来た。別に来ないだろうとも来るだろうとも思っていなかったが、くれるんだ、と思った。お母さんに、ナンちゃんまだあなたのこと好きなんじゃないの?と言われたが、好きとか、ヨリを戻したいとか、今度会いたいとか、そういう言葉を後ろに隠したハッピーバースデーなんかじゃなくって、私が産まれた日だから、おめでとうと言っておかなきゃなと思って、ただおめでとうだけを言いにくるような人だと知っていたから、それはないよと返した。案の定ナンちゃんは

      • 大人の世界と子どもの世界

        SNSで動画が流れてきた。居酒屋のような雰囲気の韓国のお店で、店員の3~40代らしい女性が、パフォーマンスをする。 酒瓶を何人分かのグラスに注いでいくのだが、あの手この手を使って、かなりおもしろく考えられている。振ることでシュワシュワを強くして、穴を開けてまるでビームみたいに酒を注ぐ。 最後に残りの泡が出てくるときに、女性が瓶の細長いところを手で覆い、扱くような動作をすると、客である男性たち数人が盛り上がる。恐らく性的な動作を彷彿とさせるそのパフォーマンスで、酒を注ぎ終わっ

        • 好き

          困った顔とばかみたいな会話 街を歩く。天気のいい日に街を歩くのは気持ちがいい。お薦めの店に入り、食事をする。ここがいかに素敵な場所か教わる。私は店よりも君が好きだよ。君が美味しいと思うものを食べて、私が残したら食べてくれる。それもいいけど、たった一回だけ、適当に入った店で甘いものばかりがメニューに載っていたときに、食べるのは得意な君が、「甘いものは少しでいい」と言いながら困った顔で渋々パンケーキを食べていた日が、一番好きだなと思った。食べたくないのに、食べるしかないって顔。

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          最近の学び

          サムネイルは洗車をしたときに撮れた写真 尊敬できないのに一緒にいたいと思ったら、本能的に好き。SNSの最先端なおしゃれを追いかけ続けるのに時間を使ってると、できないことが増えるからやりたくない。自然淘汰を生き抜いた植物たちも見た目には洗練されているかどうか怪しい。人の弱みは愛しい。たまに喋りすぎてしまい後悔する。清竜人のような軽やかで爽やかな女好きは、むしろ心地いい。キャロットケーキは味でなく、見た目の美しさや憧れの存在でいてくれることが特別で大切。できるだけ分かりやすい文

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          ひとりのときの頭の中を並べる

          一生懸命歌をきいて歌詞を見ている。文字を書いている。文字を読んでいる。ほんとにやりたいのはメイクを落とすことなんだけど、メイクを落とすことに手の動きと目線が奪われると、頭の中に考えたくないこととか全部やってきちゃうからどうしても目線を活字に移してしまう。 山田詠美は恋の先生。テーマに不倫の話がいくらあったとしても、純と言えるのは、お互いがお互いの方向を向いて、お互いだけの話をしてるから。起承転結なんて二の次で、不倫されている旦那のことなんて頭にないみたいに書かれてるから。それ

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          石にされちゃうわ

          晶はいつも帽子をかぶってた。ハットや、キャップじゃなくて、頭をすっぽり覆ってしまう伸縮性のある素材の、ニット帽よりは少しだけ薄い、冬以外の季節でも平気なやつ。 彼を含めた仲間たちとは大人になってから、友人の紹介で知り合った。彼らと会うときはいつも夜集合で、特に悪いことをするわけではないが、うるさいところで音楽を聴いて、疲れたらその足で酔っ払ったまま、朝まで居酒屋や誰かの家で過ごすことが多かった。 「コイツの帽子の下、見たことある?」 友達のひとりのユウゴにふと言われ、そ

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          上じゃなくて、となりを見ることにした

          この前。紹介された女性が、上京して夢を追って仕事をがんばっていて、きらきらしていた。 店をあとにし、帰りみちにその女性について話を聞いた。 「彼女の夢を追う生き方や、行動力を、すごく尊敬してるんだ」 私はその言葉を聞いたとき、ああ、彼は生まれてから今まで、挫折したことがないんだと思った。 そして、挫折した人も周りにいないんだと思った。だってもしいたら、そんな無神経なこと人に簡単に言えないはずだから。 そのまま真っ直ぐ、頑張ったぶんだけ報われる経験ばかりの人生を生きて

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          「愛される」より「愛する」がいいのは

          よく言う。「追われる恋愛の方が絶対幸せ。でも、追うのが好きなんだよね〜。」 自分が追っていると見せかけ恋愛論 とても分かる。 私も、追われるよりも、追うほうが絶対に好き。 そして、私と同様に追うほうが好きな友達と前に話したときに辿り着いた答えは、 「結局、人類みな追う恋愛が好き。」 さらに辿り着いたのは、 「皆追う恋愛が好きなのに付き合う人たちがでてくるという矛盾の答えとして、 自分が相手を追っていても、相手には追っていると感じさせることが重要である」 私た

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          仕事を辞めて2ヶ月経った

          仕事を辞めて2ヶ月経った 仕事を辞めて田舎に帰ってきて、2ヶ月が経った。体調を崩して貯金はあっという間に消え、強制送還されてからは、ぼんやりと穏やかな毎日を過ごしている。 一人がもともと嫌いで、途中からひとり暮らしになってしまったから寂しかったんじゃない、と母に言われて、確かに家に誰かが必ず帰ってくるというのはいいなあと今、つくづく感じる(私の友達にそれを話すと皆、ひとり暮らしは寂しくはない、気楽でいいなんて言う)。 のんびり過ごしていれば体調不良なんてあっという間にな

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          This is all^ᴗ ̫ ᴗ^

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          非常識で優雅なガールズ

          友人とのんびりと過ごして、夜にさしかかった頃に電車に乗った。 私はかなりの田舎に住んでいて、都内に出たあとは電車と車を使い、片道2時間近くかけて家に帰る。 下りのローカル線。 この線の電車には新幹線の椅子をくるっと回したような、向かい合った席がある。 乗車する人の少なさからかこういう構造がまだ残されているが、正直言って知らない人と向かい合わせで乗るのは気が引けるし、4人でこの電車に乗ってどこかに出かけるという機会もほぼないので、ただやたらと場所を取る席という位置付けに

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          江國香織「いくつもの週末」

          久しぶりに読了本の感想noteを書こうと思う。 最近読んで、ずっと記憶に残っているのが、江國香織さんの「いくつもの週末」。 何編かに分かれたエッセイになっているが、私が特に気に入っているのは、旦那さんとの週末について書かれた部分だ。 好きなものをいくつか紹介しようと思う。 甘やかされるということについて まずは、前述の題で書かれた一編。 江國さんは、旦那さんとの生活を、つまりいわゆる結婚という形を選んだことについて、「甘やかされる」という言葉を使って語っている。

          江國香織「いくつもの週末」

          察してちゃん

          友人に、相談をした。 私「私はほんとうは、毎日のように遊んで帰ってくる彼に、もっと私との時間を作ってほしいと思ってるのに、言えない。 彼にとっては皆大切な友達だって分かっているし、 私に迷惑をかけているわけでもないから。でも、 やっぱり気になってしまって、もやもやだけが残る。 人に強要をしたくない、期待しすぎて縛りたくもない。でも、それを言えないからってもやもやしているのでは、逆に不健康な関係じゃない?」 中学時代からずっと仲が良く、私のことを分かってくれる彼女は、

          察してちゃん

          ④ほんとに僕のこと、好きだね【ナンちゃんのはなし】

          私としかできないことをしよう 少し時間が空いてしまったけど、続きを。前回お話したのは、楽観的な思考を持つナンちゃんのこと。 私はいつも彼に助けられていたけど、必ずしも助けられてばかりではなかったと思いたい。長年一緒にいた分、何かきっと恩返しができていたと思いたい。そんな気持ちで書いていくことにする。 彼にとって私(彼女)がいてよかったこと、を考えていこう。書いてから、いてよかったかどうかは決めることにする。 スタバに行こう まずひとつめは、スタバに行けること。ナンち

          ④ほんとに僕のこと、好きだね【ナンちゃんのはなし】

          ③なんとかなるよ【ナンちゃんのはなし】

          前回の投稿で、ナンちゃんは高校時代はもの静かで、いつも聞き役だったと話した。私もナンちゃんと付き合ってすぐはそうなのだろうと勝手に思っていたのだが、実はナンちゃんは頭の中で勝手に楽しんでいるから寡黙なだけで、心の中はいつも陽気であるし、酔っ払うと、結構喋る人だったと分かってくる。今日はそんな話をしたいと思う。 ちなみに表題であるが、ナンちゃんは基本的に人を励ますようなことは言わない人なので、なんとかなるよなんて言われたことは実は全くない。でも、ナンちゃんの暮らしぶりを見て、

          ③なんとかなるよ【ナンちゃんのはなし】