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『AbletonLive Rackを極める!!』その⑪ サウンドデザイン編~Spectral Delay~

1.はじめに

 お久しぶりです。年が明けてからというもの更新頻度が遅くなってしまいました。音楽していないことはなくて、むしろ去年より制作や勉強・練習に力を入れている次第でして、更新が後回しなっているのが現状です。
 まあ言い訳はこれくらいにして、今回はColourBassなんかにも応用できるエフェクトの作り方を紹介します。
 その名も『Specral Delay』。
有料製品だとMeldaProduction「MSpectralDelay」なんかが有名ですね。

 結構お高いな~。前セールになっていたときに購入を逃して以降、なかなかセールになってくれないので、簡易的なモノを自分で作ることにしました。

なかなか面白い変化ですよね?
Ableton純正デバイスの底力を甘くみてはいけません。
面白い音ができたらサンプリングして、ColourBassのレイヤーなんかに使うと効果的ですよ。

2.作り方

 原理としては、Filterで異なる周波数を抜き出して、そこにDelayをかけるといった単純なモノです。今回はやりませんが、Delayの後にSHIFTERなんかでDelay音を変化させると複雑なモノを作れそうです。

1.Rackの概要

Rackの全体像

 このマガジンの読者であれば、簡単な構造であることは分かると思います。(いつも言ってますが自分で作ることに意味があります。)
基本は「AutoFilter+Delay」です。こいつをRack化して、私はパラレルで5本用意してマクロを設定している感じです。やってませんが、直列なんかも過激なものになると思います。
 ひとつ注意点ですが、DelayなどFeedBackがあるエフェクトで遊ぶときは必ず最終段にLimiterを挿すようにしましょう。耳は大切です。

2.もう少し細かく見てみる

 上記の説明だけでは暴動が起きそうなので、もう少し説明していきます。

肝となるAutoFilterとDelay

 まず、AutoFilterはバンドパスにします。その後ろにDelayを置いたら基本はOKです。
 次にRack化(Ctrl+G)したらマクロの設定をします。

マクロ設定の一例(最近スクショを撮ったりするのがマジで面倒になってきた)

 LFOなんかも設定しておくと幅が広がります。FeedBackの最大値を95%くらいにしておくと無難です(耳の保護)。
 この状態だと、一つの周波数だけを抜き出してDelayをかけているだけなので、このチェーンを複製すれば完成です。複製数は自由ですが、私は5つにしました。
 また、出力が大きくなるのでチェーンボリュームを絞る(一律-6.0dB)など工夫が必要です。さらに、後段にUtilityを置いてGain調整できるようにしておくと便利です。

UtilityにGainをマクロに登録すれば便利だぞ。
最終段は、好みにもよるがLimiterかGlueCompを置いている。

あとはオーディオソースなどにかけてみて、色々遊んでみてください。
DelayTime、FeedBack、各周波数、LFOの設定で音色が七変化します。
有料プラグインを購入するか考えさせられますね。

 単純なループにかけて遊んでみました。アイディア次第で発展の余地がありそうですね。
 実際には、制作中の閃きを大切にしながら、その場でRackを組むことが多いです。完成したRackをストックしているだけでは、ポテンシャルを発揮することは難しいと思います。サウンドデザインをテンプレート化してしまうと、便利だけど毎回同じようなサウンドで、すぐに陳腐なモノになってしまうような気がします。
 よく使うRackなんかは、プリセットとして保存すれば利便性が良いけど、落とし穴もあることは知っておいた方が良いですね。

3.ダウンロード

完成した.adgファイルを置いておく。
【注意事項】
 ・使用は自己責任
 ・当方制作環境はAbletonLive11.3.4
 ・互換性チェックはしておりません

 このシリーズも11回を迎えて、そろそろ身の振り方を考えています。まだネタはあるんですが、なんか面倒になってきて。VocoderやChorusを使ったド派手なRacKとか、Resonator系とか、、、。
 何かご意見等ありましたらコメントを頂けたらと思います。今後の運営の参考とさせていただきます。

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