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独身女性は40から魅力的になるものだ

年齢とともに衰えることは誰でも知っている。特に肉体的な衰えは寂しいものだ。

女性が35歳を過ぎると、それまでの自信が減っていき、迷いや不安が生まれることが多くなる。

そして、「私ら、結婚もいらんし、子供もいらんよなあ」と周りの友達に本音を隠して牽制するようになる。また、「私らめっちゃ若いよな!」と同年代と鼓舞し合うこともしばしばある。

それでも、容姿の衰えは隠せない。年齢を重ねるとは衰えるという意味でもある。
だが、人間的な魅力はまた別の話である。一般的に、年齢とともに人間的な魅力が衰えたとはいわないものだ。その反対の、年齢とともに人間的な魅力が増したという表現はされる。

そう、人間の魅力は年齢とともに増す可能性があるように考えられているのだ。


先日、noteの雨崎葉さんの掌編小説「飲みこみにくいものは」を読ませてもらった。

ほんの短い物語の中に、40歳前後の独身女性の心情をうまく表現されていて関心した。この作品にはいろんなものが含まれている。興味ある方は読んでみてほしい。


読後、ふと周囲の40代の独身女性のことに思いが至った。
そういえば、みんな魅力的になっている。足掻いてはいるが。人間らしくなったといった方がいいのかも知れない。
自己評価は高く、自意識過剰でテンションばかりが高かったあの頃よりも、ずっと話しやすく思慮深くなっている。自己顕示欲が減り、人間的な魅力が増していることに気づく。


「独身は気楽でいいなぁ」といった批判をする子育て中の人もいるが、独身女性自身が気楽だといったわけではない。そう思えるかも知れないが、それは違うことをぼくは知っている。そもそも、気楽で生きたいから独身を選んだ人ばかりではない。事情がある人の方が圧倒的に多い。


結婚して子育てをしているその年代の人は、子育てすることだけに価値と集中ができ、迷いがない。迷いがないことは、ある意味では心は楽だ。家庭を築くという理想も達成し良い母として完成している。


独身だと、将来の自分の面倒を考えないといけない。親のこともある。気楽だけで生きていけない不安もある。
考える対象が全く違うのだ。愚痴だけでは済まされない現実を抱えている。
だからこそ、しっかりと話を聞き、考えられるようになるのだろう。やっと人間に成ったように思える。

若い世代では、なかなかこうはならない。

不惑の歳は女性にも当てはまるのかは知らないが、岐路であることは間違いない。

人間の生きる目的は繁殖と存続ではない。それ以外だ。

社会心理学では、40歳あたりで、現在の自分の生活を顧みて、自分のやってきたことを評価し直す時期だともいわれる。

人間的な魅力を磨くのに重要なこの時期を逃してはならない。ヘタするととんでもないことにもなるが、うまくすると、ますます魅力的になっていくに違いない。

けっして間違ってはいけない対処は、

「シミ取り、シワ取り、脱毛」だ。それは女性の魅力とは全く関係ないものである。

参考文献:

雨崎葉、「飲みこみにくいものは」note、2022

ダニエル.レビンソン、ライフサイクルの  心理学(下)、講談社学術文庫