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人間は負のエントロピーを吸収している

この宇宙にはひとつの偉大な法則があります。

それを
エントロピー増大の法則

と言います。

この「エントロピー」というものが何なのか、言葉だけで説明するのは中々難しかったりします。

大学の熱力学の講義を受けた人でも、よく分からない人の方が多い印象を受けます。

簡単に言うと、エントロピーとは「無秩序さ」や「あいまいさ」、「乱雑さ」を示す量です。

そしてエントロピー増大の法則というのは、

「この世界の全体は無秩序な方向に進む事しか許されない」

ということを表しています。

例えば、コップの水をこぼす事はあったとしても、こぼれた水がコップに戻ってきて元通りになる事はないでしょう。
これはコップに水が入っていることよりも、こぼれた状態の方が無秩序、乱雑だからです。

他にも、この法則は
「熱いものと冷たいものをくっつけた時、熱いものから冷たいものへ熱が移動することはあるが、冷たいものから熱いものへ熱が移動することはない」
ということも示しています。

人間は無秩序化の流れに逆らっている

宇宙が次第に無秩序になっていくのに反して、人間単体で見れば時間と共にバラバラになることもなく、「意味のある生物機構」として常に保たれていることに気づきます。

これは一体どういうことでしょうか?

おそらく、人間が息をすることも行動することも全てストップすれば、いずれは肉が腐敗し、白骨化し、その白骨も長い年月をかけてボロボロになるでしょう。

「生きるということは無秩序化にあらがう事である」

では、具体的にどのようにあらがうのでしょうか?

それは、負のエントロピーの吸収によってだと考えています。

食事をすること…
息をすること…
排泄すること…
等々、

これらの行動によって人間は負のエントロピーを吸収し、生物機構としての秩序を維持しようとしていると解釈できます。

学習という行為も負のエントロピーの獲得である

更に、人間は学ぶ生き物でもあります。

人は学習によっても負のエントロピーを獲得していると言えます。

例えば、ある問題があって、その答えがA,B,C,Dの4択だったとします。
勉強する前の何もわからない状態であれば、ランダムに1つを選択するしかありません。これはいわば知識として無秩序な状態であると言えます。

勉強後、この答えがBだということが分かったとします。このとき、もう他の3つの選択をすることはありません。この問題の選択に対して1つの秩序が生まれたと言えるでしょう。

すなわち、これは情報に関する負のエントロピーの獲得であると考えられます。

まとめ

人間の生命活動について、エントロピーという概念を用いて考えました。そして、人間が負のエントロピーを吸収しながら生きているということを主張しました。

エントロピーは宇宙の謎、特に時間の矢に関する議論において重要な概念であり、人類の最先端の研究課題でもあります。

この記事を読んでくれた人の知識に新しい秩序が生まれてくれることを期待します。

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