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映画を言葉に!音声ガイドから見た映画②~ナレーター編~

「GWはうちでドキュメンタリーを観よう!」略して「#うちドキュ」特集記事、第5弾はバリアフリー音声ガイドのナレーターについてご紹介します。
ナレーターさんご本人からのコメントもお楽しみに~!

音声ガイドとディスクライバーについて解説した前回の記事はこちら!

音声ガイドとは映像を言葉で説明するナレーション。
その制作に欠かせないのが「ディスクライバー」「ナレーター」「モニター」です。中でもナレーターはどんな役割を担っているのでしょうか?

音声ガイドの「ナレーター」とは?
ディスクライバーが書いた原稿をナレーターが読んで収録します。
ナレーターさん、声優さん、時には監督が担当することも!?
映画の本編音声とのバランスを意識して読むので、通常のナレーションとは少し違います。
音声ガイドの収録はディスクライバーも参加して、キュー出しや読み方の指示などをします。ディスクライバーの原稿と作品理解、ナレーターの声の技術の両方があって初めて音声ガイドを収録することができます。

この記事を書いている中の人は、音声ガイド研修でナレーター体験をしましたが、これが難しすぎる!!
読むスピードを調整しないと決められた尺に収まらなかったり、逆に速すぎて聞きづらかったり…。
「結構いい感じだったのでは?」と思って聞いてみると滑舌が悪くモゴモゴしていたり…。
このような基本的な技術はもちろん、映画の雰囲気に合った声色で読む難しさもあります。

ちなみにナレーターは、ディスクライバーと映画の製作者の方々が相談して作品の雰囲気に合う方にお願いしています。だから作品にぴったりの音声ガイドが出来上がるんですね!

今回は#うちドキュ 配信作品2本のナレーターを担当した
持丸愛(もちまる・あい)さんに作品のコメントをいただきました。

▽▼ナレーターのコメント▼▽

持丸愛(もちまる・あい)さん

●質問内容●
①この作品の音声ガイドナレーションを読むにあたって心がけたこと
②作品の見どころ
③難しかったところ

「オキナワへいこう」2019年/大西暢夫監督

オキナワへいこう

©大西暢夫/NPO法人kokoima

①心がけたこと
場所をいつもより意識したように思います。
病院は患者さんにとって慣れ親しんだ生活の場なのですが、よくみると様々な紙が目に着きます。扉には開放時間、共有スペースにはルール、パーソナルスペースにはイラストやカレンダーなど、場所によって内容が違います。和やかに過ごしているけれど、明確な決まりや区切りがあるのだと思いました。病院の外を遠くに感じました。

②作品の見どころ
オキナワを語るときの表情の差です。それぞれが挑戦したのだと伝わってきました。

③難しかったところ
オキナワのシーン全てです。波の音や流れる時間に私まで嬉しくなってしまい、抑えるのが大変でした。

「まひるのほし」1999年/佐藤真監督

まひるのほし

©「まひるのほし」製作委員会

①心がけたこと
初めて鑑賞した時、アーティストの剥き出しの執着心と映像の繊細な距離感に圧倒されてしまいました。音声ガイドはストレートに読もうといつも以上に心がけました。

②作品の見どころ
作品を生み出す熱量や空気感を楽しんで欲しいです。羨ましいくらいまっすぐに打ち込んでいます。また過程を知ることで作品の理解をより深めることができました。女性が大好きなシゲちゃんのシーンに私はずっと戸惑っていました。しかし、最後にコーナーいっぱいのシゲちゃんの作品をみたとき、一つ一つを面白いと思いました。心に残る体験でした。

***
今回は音声ガイドのナレーターの魅力とナレーターから見た映画のコメントをお伝えしました。ぜひ音声ガイドの「声」もお楽しみください!

#うちドキュ では、5/6(水)まで今回ご紹介した2作品のほかに、『東京干潟』『蟹の惑星』『もうろうをいきる』をあわせた全5作品を配信中!
鑑賞後はぜひ「#うちドキュ」を付けて感想をお寄せください!

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