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映画を言葉に!音声ガイドから見た映画④~モニター編~

「GWはうちでドキュメンタリーを観よう!」略して「#うちドキュ」特集記事、第7弾は音声ガイドに欠かせない存在、視覚障害モニターさんのコメントをご紹介します。

前回の記事はこちら↓

前回ご紹介したPalabraがバリアフリー制作で大事にしていること、それは…

「当事者性」と「作品性」!!!

「当事者性」のある音声ガイドとは、
視覚障害があるユーザーが理解できるのはもちろん、

★目が見えている人と同じタイミングで泣いたり笑ったり驚いたりすることができるか
★目が見えている人と同じように余白を感じられるか
(自分で想像したり考えたいシーンで音声ガイドが説明しすぎていないか)

このようなポイントを押えて楽しめる音声ガイドと考えています。
「当事者性」のある音声ガイドを作り上げるため、視覚障害当事者であるモニターさんに意見を聞く場が「モニター会」です。

音声ガイドの「モニター会」とは…
音声ガイドの内容がユーザーに伝わっているか、作品の意図に沿っているかを当事者目線・作品目線で検討するのが「モニター会」。
参加するのは視覚障害があるモニター、監督などの映画製作者、そしてディスクライバーです。モニターが当事者目線のモニタリングを、監督などの映画製作者が作品目線のモニタリングを担っています。
映画本編を再生しながら、実際にディスクライバーが音声ガイドを読み上げて進行します。
例えば、「このシーンはこういうことが起こっているけれど、この音声ガイドの言葉で頭に情景は浮かびますか?」というようにモニターに確認していきます。


今回は、『東京干潟』『蟹の惑星』のモニターお二人にコメントをいただきました!
※一部ネタバレを含みます。

▼▽「東京干潟」 2019年/村上浩康監督▽▼

東京干潟

©TOKYO HIGATA PROJECT

弱視の女性コメント

①作品の見どころ
やっぱり何といっても、あのおじいさんでしょう。
80オーバーにして筋骨隆々、ホームレスなのに干潟に快適空間を建設(?)してしまう。その生い立ちと人生は見てのお楽しみ。

②モニター会の感想
まず東京の、しかも羽田の近くにあんな干潟があったなんて知りませんでした。
しかも料亭に出すような高級なしじみが取れるなんて知りませんでした。
そしてその環境が無自覚な潮干狩り客や開発業者のために壊されているという事も知りませんでした。
本当に無知や無自覚、恐ろしいです。
ところで貝を取っているおじいさん、監督が別作品(『蟹の惑星』)を撮っている時に偶然知り合ったそうで、こちらもびっくり。
素晴らしい偶然に感謝です。

▼▽「蟹の惑星」 2019年/村上浩康監督▽▼

蟹の惑星

©TOKYO HIGATA PROJECT

加藤秀幸(かとう・ひでゆき)さんコメント

映画『ナイトクルージング』出演・『ゴーストヴィジョン』監督

①作品の見どころ
河川敷という小さな範囲だけでまさに「惑星」ともいえる壮大な世界観が観られるところですね。蟹たちが一斉にハサミを振り上げ、まるでウェーブ。
UDCastの音声は監督自ら渋い声で語っておられます。

②モニター会の感想
直接監督からお話を伺えたので、撮影にはとてつもない時間をかけられていること。
よほど気長な方でないと この撮影はできなかったと思います。

****
日々、音声ガイドの「音」で映画を観ているモニターならではの目線で作品を語っていただきました!
一度観た映画も、ぜひ音声ガイド付きで「おかわり」してみてください。
#うちドキュ 配信作品の音声ガイドは、アプリ「UDCast」でお楽しみいただけます。
映画の新たな魅力に やみつきになること間違いなし!

#うちドキュ では、今回ご紹介した2作品のほかに、『オキナワへいこう』『もうろうをいきる』『まひるのほし』をあわせた全5作品を配信中!
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鑑賞後はぜひ「#うちドキュ」を付けて感想をお寄せください!

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