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fm GIG主催「ショートショートバトル」作品集

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イベントスペース・パームトーンで開催された「fm GIG ミステリ研究会〜ショートショートバトル」の作品集。 第1回:2019/1/19開催。タイトル「陽だまりの鳥」 第2回:2… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

ショートショートバトルVol.5〜「ハバナ・モヒート」南軍(稲羽白菟、最東対地)

(お題:残り香)(ムード:ワクワク) 【第1章 稲羽白菟】 【注】  ここに書かれる歴史・人物・団体は全て、作者が描くこの小説世界上の「設定」であって、いかなる実際の事件・出来事と関係はない。 『ハバナ・モヒート』  一  ハバナはカリブ海に浮かぶ小さな島国、キューバ共和国の首都である。  読者諸兄にとって、この北米と南米、二つの巨大な大陸に挟まれたラテン系の太暖かな小国ーーしかし、ある事情によって東西冷戦時、東側陣営「共産国家」側に立つこととなり、西側陣営のボ

ショートショートバトルVol.5〜「ハバナ・モヒート」北軍(円城寺正市、遠野九重)

(お題:靴ずれ)(ムード:ワクワク) 【第1章 円城寺正市】  夜は青。  凪いだ水面に月の道。  暑さにパーティを抜け出し、僕は、バルコニーから海を望む。  サルサの響くアカプルコの夜。  僕が日本から逃げ出して、もう何年が経っただろう。  現地で妻を娶(めと)り、一緒付き合えると思える友もできた。僕はこのままカリブの海を眺めながら年老いていくのだろう。  悪くない人生だとは思う。 「あなた、モヒートはどう? ハバナモヒート」  背後から妻がそう声をかけてくる。

ショートショートバトルVol.5〜「虹色のパレード」東軍(尼野ゆたか、川越宗一、木下昌輝)

(お題:パンデミック)(ムード:ウキウキ) 【第1章 尼野ゆたか】 これは、俗に言う関ヶ原の戦いで用いられたとされる奇策「七色の陣」が実在したかどうか一次史料を元に調査し、物語の形で復元したものである。 ーーーーーーーー 「なぜだ」  宇喜多秀家は、目の前の男に問うた。 「お主が未来を見るものであることについては、最早疑いはない。今まで、全てお主はのちに起こることを言い当ててきた。ならば、なぜだ」  その表情には、深い苦悩がある。  豊臣秀吉に後事を託された、

ショートショートバトルVol.5〜「虹色のパレード」西軍(延野正行、もやし炒め、今村昌弘)

(お題:引越し)(ムード:ウキウキ) 【第1章 延野正行】  その王国には、七つの種族がいた。  1つは赤の一族。赤い肌と赤い髪を持ち、暖かい場所を好む種族である。  2つめは橙の一族。橙色の肌と橙色の髪を持ち、目立ちたがり屋が多い。  3つめは黄の一族。黄色の肌と黄色の髪を持ち、好物はカレー。  4つめは緑の一族。緑色の肌と緑色の髪を持ち、森の中に住む花粉症とは無縁の種族である。  5つめは青の一族。青色の肌と青色の髪を持ち、藍の一族と仲が悪い種族だ。  6