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TMS治療をしたら車の免許が取り直せた話

実は私、大学時代に自動車学校に通っていたのですが、仮免を受けるタイミングで鬱っぽくなってしまい、そのまま車校をドロップアウトした経歴を持っています。

ぱっと見は問題なさそうに見える発達障害者。私もどちらかというと何でもできそうだねと言われるほど第一印象が良い方なので、「車やバイク乗り回してそう」と言われるたびに「免許の話は私の中で地雷だからノーコメントで」と笑いながらかわしつつ、「いや、実際は車校を中退してんよ…」と心の中でつぶやく日々。長年コンプレックスを抱えていました。

発達障害グレーゾーンと診断を受けて2020年にTMS治療が終了してから2年半。仕事を辞めたのをきっかけに、先月、車の免許合宿に行ってきました。

-そもそも、なぜ車校を中退することになったのか

大学生になると免許を取るのが当たり前という風潮がありますね。みんな車校に行ってるし身分証を手に入れるかーという軽いノリで、友達と大学の生協で申込みをしました。

学校に通い始めた当初は楽しかったのですが、交差点の右左折やS字クランクのあたりから雲行きが怪しくなり、毎晩交通事故を起こす夢をみるようになりました。原因はのちほど説明しますが、当時は自分に何が起きているのか何もわからず誰にも相談できず、深いストレスを抱えるようになり、無気力になり、車校に通えなくなりました。
そのうち教習期限である9ヶ月を過ぎてしまい(そもそも期限があることに気付いてなかった)、そのまま退校となりました。当時は「自分はとんでもなくダメな人間」という烙印を押されたようで、その後の人生にも黒歴史として傷跡を残し続けました。

-決心

自分の中でかなりのコンプレックスだった車の免許。私が負けず嫌いということもありますが、何より発達障害の治療をして自身の変化をこれでもかと感じていたので「今なら車の免許が取れる」という自信がありました。

治療の効果がどれほどのものか試すために、また、車が大好きでオープンカーに乗って海沿いをドライブする夢を叶えるためにも、車校に再チャレンジすることにしました。

-再チャレンジに向けて

車校は安くない費用がかかります。また、再チャレンジが失敗したら今世で車に乗るのは諦めようと思っていたので(笑)、入念な準備をしました。

準備1:前回の失敗を分析
当時、自分が車校にいけなくなってしまった原因を分析してみました。
思い返してみると
・サイドミラーやルームミラーを見る指導がされていなかった
・見ていない自分に対して、指摘もされなかった
・S字カーブの走り方を指導しないまま、黙って見ている教官
・指導されないまま、別の教官に当たった時に怒鳴られた
・通いの車校だったので、次回の予約を自分で取る必要があった
・スケジュール管理ができなかった
ということが考えられました。
ろくに指導されずテキストを見てもよく分からない。発達障害の人は「なんとなく空気や体感で覚える」みたいなのが苦手で、全部言葉にしてもらわないと難しいと思いますが、その悪いところが全部出てしまったのが失敗に繋がったと考えています。またADHD気味な方は絶対に免許合宿をおすすめします!昔に戻れたら自分に「あなたは発達障害グレーゾーンだから免許合宿にしなさい」と言いたいですほんとに(笑)

準備2:You Tubeにアップされているドラレコの事故動画を見まくる
車校を失敗した一番の原因は「恐怖」でした。指導が自分に足りておらず、右も左もよく分からない不安感が(おそらく発達障害特有の反芻によって)強まり、最終的には車が殺人兵器に見えて仕方がなかったです。車校をドロップアウトした後も運転への怖さを感じていたので、「なぜ人は事故を起こすのか」を徹底的に知ろうと思い、かなりの事故動画を視聴しました。

事故動画を長時間視聴していくうちに、事故には一定のパターンがあることに気が付きます。(右折・死角からの飛び出し・車間距離の不足など)
また、運転の上手い人が全体のどこを見て乗っているのかが分かり、このあたりから運転中のイメージが定着してきて、かなりの自信が付いてくるとともに「早く運転してみたい」とわくわくしていました。

準備3:口コミの良い教習所を探す
自分が運転するイメージが固まってきたので、教習所の申込みをします。
一度失敗し、教習所との相性が自分にとって重要だと思ったので、気になる車校を片っ端から検索し、Googleの口コミをすべてチェックしました。

最終的に静岡の「遠鉄自動車学校」に決めました。こちらの教習所は地元の鉄道会社が経営しており、複数の校舎があります。系列の学校はどこもとにかく評価が高いです。関東出身者から関西出身者まで合宿にきており、なんなら静岡県内に住んでいる人も合宿参加ができる学校です。詳しくは後ほど説明しますので、車校選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

準備4:自動車学校の教官が教えている動画を全部視聴
免許合宿を申し込んでからは、教官が指導している動画をひたすら見ていました。
私のオススメはアルバカさんです。
https://youtu.be/0XA3OFB3pHM

免許合宿中にできた友人たちもYou Tubeを見ていて、「〇〇さんのYou Tube、わかりやすかったよ〜!」とお互いにシェアするなどして、教習中に分からなかったこともすべてYou Tubeで復習していました。You Tubeがなかったら、免許取れていなかったかもしれないくらい、本当に助けられました…(泣)

-実際の教習は

これだけ万全な準備して臨んだ免許合宿。自分に課した目標は「免許取得はもちろんのこと、指導中の教官に褒められる」でした。
もちろん教官には褒めてもらえて(教習所が良かったというのもあります笑)、ばっちり免許も取れて、今は親の車で運転の練習をしています。助手席で付き添ってくれる母親には「私よりも上手いね!」と言われるくらい、安全運転を徹底できています。

今となっては「当時はなぜ車の運転があんなに怖かったんだろう?」と不思議に思いますし、運転楽しいな〜♪と感じています。

こうして、ずっと心の中にあった「自分はダメな人間なんだ」というコンプレックスは10年越しに消え去ったのでした。
めでたしめでたし。

-おまけ 遠鉄自動車学校について

私が利用した遠鉄自動車学校は鉄道会社が経営する学校で、最寄りの駅名に「自動車学校前」と名前がついているくらいです笑。
安い時期の免許合宿に申し込んだので、費用は26万円。
AT車で2週間、3食の食事付きで、一番豪華な「ホテルコンコルド」での宿泊を選びました。(これで26万円は破格だと思いませんか?!)
近くにはランニングができる浜松城公園とおしゃれなスタバ、ちょっと歩くとスパもあります。(個人的には戦闘機が教習所上空を飛んでいくのが最高でした笑)
スケジュールはすべて学校が決めてくれて、バスでホテルまで送り迎えしてくれるので、煩わしさは一切ありません。

教官についてはそれぞれのプロフィールが廊下に張り出され、教習前にどんな人なのかチェックすることができます。また、万が一、相性が悪い教官や嫌な教官がいた場合はNGの設定がスマホでできます。(時間割とかもすべてスマホで管理できるので本当に便利です)
私は毎回はじめましての教官でしたが、皆さん良い先生ばかりで、まず絶対に怒鳴られないですし、間違えてしまったら的確に建設的な指導してくれます。うまくいけばちゃんと褒めてもらえます!笑
優しい先生達のおかげで運転が好きになりましたし、免許合宿が楽しい素敵な思い出になりました。

申し込みは下記HPからできますので、ぜひ!
https://gashukumenkyo.jp/

(合宿中に友達になった人はかなり多いのですが(つまりみんな良い人!)、みんな口コミを見てこの教習所にわざわざ来たという人がほとんどでした。中には、別の免許合宿の申し込みをしようと紹介所?みたいなところで電話したら「全国の中でいちばんおすすめ」と電話口の人に紹介されてこちらに申し込んだという人もいました)

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