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カルディにおけるパンダの現状からみる、今後の展望および戦略

本日、自宅近くのカルディ某店にて、パンダの実地調査を行った。パッケージ中にパンダが使用されている商品の個数を計測。なお、同じシリーズであっても別々の商品であれば個別にカウントした。

結果は14個であった。

空き時間をいいことにカルディ店内を1時間ほど周回してしらみつぶしにカウントしたことから、誤差は限りなくゼロに近いと思われる。なんと暇なことだろう。


パンダがパッケージ中に使用されている商品(以下、「パンダ商品」と呼ぶ)の分布、傾向としては、まずやはり中国がらみの商品に多いという点が挙げられる。さらに言うと調味料、スイーツの分野に多かった。

特にカルディにおいて一世を風靡した「杏仁豆腐シリーズ」の派生版が本調査でも3つを占め、根強い人気を感じさせる。「杏仁豆腐」の4文字の横に、「ぷるぷる」「とろりん」「なめらか」「あんにん」とふりがな(?)が振られている、あれである。あまりにも一文字一文字に対応した位置にふりがな(?)が記されているため、「杏仁豆腐」の読みを「ぷるぷるとろりんなめらかあんにん」と読ませたいのかと錯覚させる、あれである。

そして、その他の商品においても、商品のパッケージにパンダが載っているだけでなく、付随するポップにも同様にイラストが記載されているケースが多かった。

このことから、パンダ商品は商品戦略として特にパンダを前面に押し出す傾向が見られると言えよう。パンダ商品のさらなる拡大を見据える上で、パンダ自体のビジュアルの良さに信頼が置かれている点は良い傾向である。



次に、今後のパンダ商品の市場拡大に向けた戦略を考える。

まず、カルディを徘徊する中で散見された他の動物キャラクターについて分析する。

一つ目に注目するのは、牛、エビ系である。これらはかなり多用されているものの、その理由はなんと言っても商品の原料だからである。
パンダはその希少性、および味(知らんけど)の観点からして、今後食品の原材料として使用されることは考えづらい。なんといっても絶滅危惧種の代表選手である。WWFのロゴになっているほどである。食べられないだろう。その前に、美味しくないだろう。食べたことないけど。なんか、食べる気もおきないけど。

このことから、現在の牛、エビ系の地位をパンダが奪取することは、パンダの種の存続の観点からして不可能と言える。絶滅のリスクをとらせてまで、カルディにおけるスターの地位を目指させるのは流石に酷であろう。


二つ目にヤギである。これがカルディに多い理由は明白であり、カルディの公式キャラクター「ヤギべえ」がヤギだからである。カルディーの看板商品であるコーヒーからエコバッグ等の関連商品まで、幅広く使用されている。
その座をパンダが奪うことは、不可能ではない。しかし、既に確立されている「カルディ=ヤギ」のイメージからして、カルディ本社がキャラクターをパンダに転換する可能性は、現時点ではほぼゼロに等しいと思われる。一応、ヤギである必然性というかストーリーもあった気がするし。

もっとも、カルディにおけるパンダの立ち位置は決して低くなく、むしろ稼ぎ頭としての地位を確固たるものにしているため、ヤギべえの人気の落ち目については注視し、あらゆる可能性を排除しない方向で考えたい。


三つ目に虎及び龍である。これらはパンダと同じ、中国関連の商品にシェアが高い。特に注視すべきは虎である。中国・韓国関連の食品コーナーで計測したところ、虎が9個の商品において確認できた。

パンダの強みであり弱みでもあるのは、「パンダ=中国」というイメージがあまりにも浸透している点と言える。そのため、パンダは中国以外の、韓国や東南アジア、ヨーロッパといった商品には使用されにくい。
一方の虎は、特定の国のイメージがないことからどの国の商品に使われても違和感がないのである。事実今回の調査でも、中国、韓国、東南アジアと幅広い地域の商品に虎が散見された。
パンダにとっての杏仁豆腐シリーズのようなヒット商品は未だ出ていないものの、そのような商品が誕生すれば一気にパンダの市場を強く脅かす存在になる可能性があり、注意が必要である。



以上を踏まえ、今後パンダ商品のシェアを拡大する方法につき考察する。

まず考えられるのは、ハロウィン商品への参入である。
カルディの店頭は、9月初めから10月末までハロウィン関連商品で埋め尽くされている。つまり、ハロウィンといえばパンダというイメージが染み付けば、実に一年の6分の1以上にわたり、カルディの店頭をパンダが独占できることになる。変化の目まぐるしいカルディにおいて、その地位は極めて得難い。
現状をみても、ハロウィン関連商品にはおばけが多いくらいで、動物のキャラクターにこれといったものは存在しなかった。いわばブルーオーシャン状態。ここには大きな可能性が感じられた。

次に、酒類である。
カルディはワインの売り場が大きいが、ここでも特定の動物がシェアを誇っているとはいえなかった。

もっとも、ワインは主に欧米諸国の産物であることから、パンダをイメージとして起用するとは考えづらい。そこで、たとえば紹興酒のような中国のお酒とパンダの抱き合わせで売り込むという形は考えられないだろうか。中国のお酒となれば、パンダに一日の長があることは明白だろう。


最後に、お茶である。
パンダに既にある中国のイメージを活かすことを考えると、中国名産のお茶は真っ先に考えつくところだ。にもかかわらず、今回観測した中でパンダがパッケージに使われている中国のお茶はたった一つ。

中国はお茶発祥の地ともいわれ、お茶については長い歴史と多くの種類を誇る。日本でブームがおこれば多くの商品が展開されよう。その時への入念な準備とパンダの売り込みが必須である。


以上、パンダ商品の現状を概観し、拡大に向けた道筋を考えてきた。中国とあまりにも深く紐づけられたパンダの現状は、幅広い商品展開を考える上で必ずしも有利なものとはいえない。そのため、新たなイメージの確立も含め、現状にとらわれず、あらゆる選択肢を排除せずに検討する姿勢が重要だと言えよう。


……書きたくもない課題のレポートは一向に字数に届かないのに、こんなくだらない文章ならいくらでも書ける自分が嫌になりつつ、書いている間は楽しいのであるから、まあよしとする。

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