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落ち込む?しんどい?寝付けない??それって五月病かも?? 五月病に”効く”対策のお話

待ちに待ったGW!しっかり休んで英気を養いたいものです。ただし、、、休んでしまったら休み明けの仕事や学校が、、、、なんて心配もありますよね。今回はGW頃の疲労感などでよく見られる五月病のお話を少し。。

五月病の初期の状態は、気分の落ち込み、寝付けない、不安感などなど。憂鬱感や倦怠感がつきまとい、悪化すると学校や仕事に行けなくなったりするかたもいらっしゃいます。

新しい環境、新しい仕事、新しい職場、新しい住まい。新しいことは、気持ちが晴れやかになる反面、その環境に適応しなくてはならず、身体や心、そしていままでの習慣からの変化を求められますね。変化に合わせるということはそれが悪いことであれ、良いことであれストレスになります。4月は変化に対応しようと、とにかくがむしゃらにやってこれた方も多いと思いますが、GWで長期の休みになると、緊張の糸が切れちゃうんでしょうね。一気に疲弊して、動けなくなる。気分が落ちたままなんとなく過ごして、仕事や学校が始まってしまうということがよくあります。

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そして、だるい、眠れない、食べられないなどの症状に見舞われ、まともに活動できなくなってしまう。これが五月病です。今年はGWが特に長いので、よりしんどくなる方が多そうです。また5月はどうにかやり過ごしても6月や7月の梅雨時期になって悪化する人もいるので注意が必要です。

そもそも五月病というのは医学的な病名ありません。症状から照らし合わせると、適応障害や睡眠障害、うつ病などに該当します。

悪化を防ぐには、とにかく早めの対策が重要

中医学的では、そういったストレス過多で、食欲がなく、情緒が不安定になるような状態を、「気滞(きたい)」状態といいます。全身をくまなく巡る気の流れが停滞した状態です。気は、動くためのエネルギーであり、精神安定の要であり、防衛力であり、胃腸や排尿などのために内蔵を動かすエネルギーです。気が隅々まで巡っているからこそ、体内の活動は維持され、気分も安定しますが、滞ってしまうと、気/エネルギーが足りず機能が低下し様々な不調が出ます。

またそもそも十分に流れるだけの気/エネルギーが足りないときも、鬱々としてやる気がなくなります。なのでやる気の低下などが見られるときは、まず気を補うことも大切です。

対策をみていきましょう。

気滞とエネルギー不足の改善には、まず深呼吸です。気のめぐりが悪化しているので、呼吸で体内に空気の流れをつけてあげましょう。空気も気の一部ですからね。しっかり呼吸することでエネルギーを作り出せます。そして肩回し。これは血流がよくなります。すると気もまためぐりやすくなります。

気のめぐりは香りで助けることもできます。この時期はスーパーでたくさん並んでいる柑橘類や香味野菜、山菜などを積極的に摂るのがよいですよ。

先日、幼稚園に入ったばかりのお子様が毎晩号泣して起きるというお話を伺ったので、柑橘類をおすすめしました。八朔をデザートに食べて、夜は八朔をベッドに置いて寝かせたそうですが、なんとはじめて朝までぐっすり寝てくれたそうです。全員が八朔でよくなるわけではないですが、美味しく簡単にできますので、ぜひお試しあれ。

また、睡眠のリズムを整えることは自律神経系を整えることに繋がるので、休み中もできれば同じ時間に起きるのがよいですよ。そして寝るのが遅くなっても、早めに起きて、朝の一言目は「よく寝た!今日もいい日だ!」とつぶやいてください。そうすると、意識がいい日である理由を見つけるようになるので、結果的に良い日になっていきますし、視点が変わって心も安定しやすくなります。騙されたと思ってGW中に続けて見てください。少しでも気分の落ち込みを予防できます。

食事もとっても大事です。特にミネラルの不足は情緒が不安定になりやすくなります。ミネラルを摂るには海藻や貝類がおすすめです。昆布や牡蠣がとても優れているので、食べられる人は少量でも毎日食べてくださいね。他の海藻類、ノリやもずく、アサリやしじみなどももちろん良いですよ。ミネラルは尿と一緒に排出されてしまうので毎日食べましょう。

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五月病対策におすすめの漢方

補中益気湯(ほちゅうえっきとう):補中とはおなかに元気を補うと言う意味。益気はその元気を持ち上げるという意味。本来は内蔵下垂などによく使われる処方です。その持ち上げる特性を生かして、気分が落ち込み、やる気が低下している方におすすめです。

適応:元気がない、疲れやすい、四肢がだるい、動作が億劫、立ちくらみ、眠くなる(とくに食後)、頭がぼーっとする、汗をかきやすい、息切れ、泥状便・軟便、脱肛、子宮脱、遊走腎、ヘルニアなどのときに。

帰脾湯/心脾顆粒(きひとう/しんぴかりゅう):「脾」は消化系を指す言葉で言い換えれば胃腸という意味です。「帰」とはもとに戻すという意味。この脾は、食欲や便通に影響するほか、出血しないようにする、あざができないようにする、体を作るもとをつくる機能を担っています。脾が弱ると、消化吸収力が低下し、エネルギーである気も、栄養を運ぶ血も作られず、気分も不安定になります。特に不安感が強くなったり睡眠トラブルが出やすくなります。帰脾湯は胃腸が弱っていて、不安や睡眠トラブルがある方に有効です。帰脾湯と心脾顆粒の違いは、帰脾湯の多くは高麗人参が配合されているので、より強力に元気を補う代わりに、高血圧傾向の場合は避けるほうがよいです。その点心脾顆粒は党参という補給剤をつかっているので、高血圧傾向の方は心脾顆粒のほうがおすすめ。

適応: 疲れやすい、倦怠感、元気がない、息切れ、食欲不振、お腹が張る、下痢や軟便に加えて、健忘、頭がふらつく、ボーっとする、立ちくらみやめまい、動悸、眠りが浅い、夢が多いなどです。

逍遙散(しょうようさん):逍遥とはあちこち目的を決めずぶらぶら歩くこと、そぞろ歩きという意味があります。ゆったりと散歩する気分にさせてくれるのがこの逍遥散という薬。

適応は、憂うつ感、イライラ、怒りっぽい、胸や脇が張って苦しい・痛い、手足のしびれ、動悸、眠りが浅い、夢が多いなどに加えて、食欲が無い、疲れやすい、倦怠感、むくみ、下痢または下痢と便秘が交互に来るなどの状態の時。女性では、月経前に胸が張っていたい、月経の周期が安定しないなどにも。
そのほか、緊張時に起こる腹痛や腹鳴、下痢などによいです。

類似した処方に、加味逍遙散(かみしょうようさん)がありますが、適応は、逍遥散の症状に加えて、イライラ、のぼせ、ほてり、口渇、頭痛、微熱、寝汗など熱症状がある場合です。これら熱が原因の症状が無いのに、加味逍遙散を使ってはいけません!

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):肝が暴れ出さないように抑制するという抑肝散に、胃腸を整える陳皮と半夏を追加した処方です。肝が暴れだすとイライラしたり、かっとなったり、頭痛がおきたり、めまいを感じたりします。そんな状態に筋肉がピクピクしたり(まぶたのピクピクもそう)、つったりなどの症状も出やすくなります。抑肝散は、その状態に加えて、疲れやすく食が細い、皮膚に艶がない、動悸がするなどの症状が見られるときに使います。そして、そこに胃腸の働きを整える陳皮と半夏が加わると、吐き気や嘔吐感、腹部膨満感や、舌に白い苔がべったりするような症状にも対応できます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):喉の詰まる感じをとる漢方で有名な半夏厚朴湯ですが、本来は不要物が溜まって、吐き気する、呼吸がし辛い、上腹部に膨満感があり、つっかえる、胸がはってくるしいなどのときに使います。

喉のつまり=半夏厚朴湯ではなく、喉が詰まる、または異物感があることに加えて、悪心嘔吐、吐き気、咳などがあり、舌をみると苔がべったりついてる、または痰がからむなどに使います。

半夏厚朴湯は、いわば乾燥剤なので、舌を見て苔がなくて赤い、ひび割れてる、喉が乾いて冷たいものを欲する、寝汗やのぼせがあるなどの潤い不足状態では使いません。

シベリア人参:寒い地域に自生する、高麗人参の仲間です。元気を補うだけでなく、精神安定や鎮静、安眠、自律神経の調整作用なども併せ持ちます。加えて環境適応力を高めるという力もあるため、実は五月病には最適の生薬です。

適応:ほぼどんな人でもつかえます。不安が強い、眠れない、元気がないそんなときにはお湯に溶いて飲んでみてくださいね。

今の状態にベストな漢方を選ぶには、相談が必要な場合が多いです。試しに飲んで見るのはOKですが、イマイチなら、専門家にご相談くださいね。


元気がでるツボ 関元(かんげん)と湧泉(ゆうせん)

関元は、元気の関所。へそから指4本分下にあるツボ。押すより温めるほうがやりやすいので、カイロを貼るのもよいです。

湧泉は、元気が湧き出すツボ。土ふまずのやや上、足の指を曲げたときに、ちょうどくぼむところにあります。ゴルフボールとか硬いものを踏んで刺激するのがおすすめ。

やる気が出ない、眠れない、食べられないなどなど、不調が続くようならとにかく早めに専門家に相談してくださいね。早いほうが絶対に回復も早いので。つらいときは漢方も助けになることを覚えておいてくださいね。


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