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HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その六

美味しいパンを作れるようになりたいと意気込んでいた私だか、殆ど勢いでパン職人という道を選択したため、漠然とした目標しかなかった。とりあえずの目標は、独立できるレベルのパンを作れるようになるということ。しかし当時は必ず独立したいとまではあまり考えていなかった。というより、独立はしたいけど、私には多分無理だろうと思ってしまっていたのだ。 そんな中始めたパン屋での仕事は、大変だがやりがいを強く感じていた。少しずついろいろなことが出来るようになり、日々成長を感じられていたことが幸せ

    • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その五

      これまで塚本さんと共通する部分を述べてきたが、異なる部分ももちろんあった。 決定的な違いは行動力や覚悟だった。 彼女は超がつくほどの有名店「シニフィアンシニフィエ」志賀シェフの元へ弟子入りをしたのだが、私は有名店への弟子入りにどうしても抵抗を感じてしまった。それは転職を考えている当時、独立は将来の働き方の一つとして視野には入れているけれど、必ずと思うまでではなかったからというのも理由にあった。 また、お世辞にもメンタルが強い方とは言えない性格という自覚があったので、いきなり

      • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その四

        別の場所で新しい自分を見てみたくなった私は、新卒1年目を終え、2年目に突入した辺りから少しずつ転職活動をしていた。本当に入社したいと思える会社だけを選別し面接を受けていたのだが、なかなか内定を貰えなかった。そう言う事もあり、本当に自分がやりたくて、かつ向いている仕事とは?と迷走していた。 転職活動をしていく中で、自分がやりたいだけでは無く、適性を見極めることも大事な事だと気付いた。やっていて苦ではない、楽しいと思える仕事かつ、自分の性格に合っている仕事とは何だろうと考えていた

        • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その三

          塚本さんを知ってから、彼女のことが気になって気になってしょうがなかった。 ちょうど放送の後、彼女の本が出版されたということでその本を購入して読んだ。 パン職人になるまでの過程はとても興味深く、私をより引きつけた。 リクルートという誰もが知っている大企業に勤めていながら、パン職人というリスクの高い道を選んだ彼女。 そのような経歴から元々塚本さんは優秀な人であるだろうし、そんな人に対して思うのはおこがましい話だと思うのだが、私と考えや思っている事が似ている部分があった。 そ

        HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その六

        • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その五

        • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その四

        • HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その三

          HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その二

          塚本さんはとても楽しそうにパンを作っている人だった。 彼女のパン職人としてのあり方はとてもおもしろかった。 「旅するパン屋」というコンセプトのパン職人。ただパンを作るだけではなく、自分が旅をする期間というのを設けていた。全国各地のあらゆる生産者の元へ向かい、食材探しの旅に出て、インプットする時間に当てているのだそうだ。彼女の働き方は、私にとってのパン職人という常識、固定概念を覆した。 パン職人で独立というと、自分のお店を待ち、そこでパンを作って売るというのが一般的だとされ

          HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その二

          HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その一

          私はとある田舎のパン屋でパン職人をしている20代女。 私がパン職人になろうと思ったきっかけの人がいる。それがHIYORI BROT(ヒヨリブロート)塚本久美さんだ。 大学を出て、新卒でそこそこ有名なパンの会社に入社した私。その会社でやりたかったのは品質管理の仕事だったが、最初何年かは工場で生産の仕事をしなければならなかった。工場勤務の生産の仕事が嫌で嫌で、これが一体いつまで続くのかと絶望に近い感情を抱いていた時、テレビで見かけたのが塚本久美さんだった。 そのテレビは「セブ

          HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その一