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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(原題:Once Upon a Time in... Hollywood)③


ロイ・ヘッド&トレイツの「I wanna tell you a story」「~さあ、これから物語を聞かせてあげよう、昔々、こんなことがハリウッドでありました」という映画が始まる。
ポランスキーがとなりにシャロン・テートを乗せたMG-TDのハンドルを握り、ふと思い返してみても、いままで出会った女の子の中で、やっぱりキミは最高さとディープパープルのデビュー曲「ハッシュ」がシャロン・テートの横顔を添えて強力なリズムで画面を弾かせる。
ディープパープルの数ある曲のなかでも一番大好きな「ハッシュ」であるので、観ている自分も心躍らないわけがない…。
そして先述しておいた大好きなシャロン・テートが針を落とす、ポール・リビア&レイダースの「Good Thing」「Hungry」が続けざまにかかりもうこれだけてたまらない。
ヴォーカルのマーク・リンゼイと一緒に住んでいたテリー・メルチャーや、後述するスティーヴ・マックィーンやブルース・リーなども実は事件に巻き込まれていたかもしれない歴史のイフが置き土産にされている。
MG-TDがプレイボーイ・マンションに着けば、スティーヴ・マックウィーンやママス&ザ・パパスのミシェル、キャスが出迎える。
なんて豪勢な映画なのだ。
そのママス&ザ・パパスの大ヒット曲「カリフォルニア・ドリーミン」が夕闇のなかのハリウッドに「ホセ・フェリシアーノ」の声で染み入ってくる、なんていうセンスの良さ、たまらない。
バニラファッジの衝撃的な「You keep me hangin’on」で返り討ちは始まるのだが、自分の解釈として最重要な曲、R・ストーンズ「アウト・オヴ・タイム」に乗せてイタリアから戻るリック夫妻とリックに続きポランスキーは一時間1000ドルで教わっていたらしいブルース・リーのトレーニングシーンとかいろんなキャスとのハリウッドが流されてくる。

おまえはいまなにが起こっているのかわかっていない
おまえはとっくの昔に消え去ってしまったんだよ
おまえはもう帰ってくることはできないし、おまえは現実がわかっていない
見捨てられた女、おまえは絶好の機会を失くしたんだよ
おまえは無視されまくっている
遠慮なくそこから出て行ってくれ
おまえは素晴しい機会を失くしてしまったんだよ
おまえは素晴しい機会を失くしてしまったんだよ

ポランスキー邸で弾き語りされるパパス&ザ・パパスの「ストレートシューター」。
虐殺事件の現場で実際に弾き語りされ、譜面も残されていたというこの楽曲を最後に置いておきたいと思う。
クリスのモーターハウスに貼られたハニーにおまかせのアン・フランシスのポスターとかもういろいろ書き足りないことは山ほどあるが、行き当たりばったりでキーを打たせてもらった「ワンハリ」の身勝手な自分のレビューを記録してみた。

「Straight Shooter」
Don't get me mad; don't tell no lie
怒らせないで 嘘をつかないで
Don't make me sad; don't pass me by
悲しませないで 無視しないで・・・・
わたしはほんとうに嘘がつけない女
意味はわかるでしょ
お願い、悲しませないで
言ってる意味はわかるでしょ…

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