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【SNS投稿和訳】衛星画像による戦況分析:ウクライナ南部ヴェルボヴェ地区(by Tatarigami_UA)

X(旧Twitter)の連続投稿(日本時間2023年9月26日02:02)で、ウクライナ軍予備役将校のTatarigami_UA氏がウクライナ南部ザポリージャ州西部ヴェルボヴェ方面の情勢を、衛星画像を用いて解説しています。

以下は、このX連続投稿を日本語に翻訳したものになります。なお、本記事中の画像は、Tatarigami_UA氏の投稿中に添付されているものを使用しました。

日本語訳:

最近の動画で、撮影地点の特定ができる動画により、ウクライナ軍がヴェルボヴェ周辺及びノヴォプロコピウカ周辺で活発に活動していることが明らかになっている。このことを裏付けているのが、目視可能な地形変化に基づく衛星画像分析だ。画像から、ヴェルボヴェとノヴォプロコピウカ南部区画の両方に向かって、火力投射がシフトしていることが分かる。

以下の画像には地面が焼けた跡と砲撃跡が示されており、最近、戦闘行動があったことがこれで分かる。火力投射がオチェレトゥヴァテへ向かって南へと進んでいることを踏まえると、ヴェルボヴェの周囲とノヴォプロコピウカの周囲にあるロシア側陣地から、ウクライナ軍がロシア軍を押し出した可能性はかなり高いといえる。

戦術状況把握をより明瞭にするには、地形を理解しておくことが鍵になる。地形的特徴は基本的に平坦であって、以下の地図に示されているように、そこに少し高い地点が加わっている。ただし、注意すべきなのは、このような標高差は、全体的に平坦な地形のなかでみられる相対的な差であるということだ。以下の地図の赤色は、必ずしも周囲を制するような丘陵を示しているわけではない。

ヴェルボヴェ西端部とさらにこの集落の内部に、視認できる焼け跡があることは、ヴェルボヴェの周囲におけるウクライナ軍とロシア占領軍の交戦を示す、既に述べた撮影位置特定可能な写真・動画資料の情報と一致する。

なお、ロシア軍防衛網は崩壊するには至っていないということは、強調しておきたいと思う。継続的な損耗に耐え続け、後退を迫られる状況であるにも関わらず、ロシア軍は今でも自軍の統制を維持し、組織的な後退をする余力をもっており、我が軍[*注:ウクライナ軍]に対して、相当な難題を依然として突きつけている。

以下の3D地形シミュレーションによって、小さな高地がある程度の戦術上の優位性をもたらしうることが理解できる。このシミュレーションは、現状を示す衛星画像と地形データを組み合わせたものだ。完全なものとはいいがたいが、このシミュレーションは今後のあらゆる分析に組み込まれていくことになるだろう。

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