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わかりあえない心地よさもあるんだよ #15分note

テレビの前の2人がけのソファでは、私はかならず右側に座る。そうすると、私の右側からやってきて、ぴょいと私を飛び越え、左側の席に背中を向けて座り込む。後ろ足かしっぽか、どこかが必ず私に触れている。

リビングのダイニングチェアに座っていると、私の右側にやってきて、微妙に足に触れながら行ったり来たりして、なでられるのを待っている。

私と目が合うと、必ず「にゃー」と鳴く。「ん?」と反応すると、また「にゃー」と鳴く。

これがキミの、私とのコミュニケーションのルーティーンなんだね。何をいいたいのか、私にはよくわからないけれど、私とつながっていたいという気持ちはよくわかる。

でも、だったら私からキミの元に近づいていくと逃げるのはなぜ?ウチに来てもう5年は経つのに、スーパーの駐車場をウロウロしていたころの、人間への警戒心は完全にはなくしていないのかな。

言葉が通じれば、もっとわかりあえるに違いないのに。
でも、言葉が通じないからこその、心地よい距離というのもあるのかもね。

”お互いのことをすみからすみまで知り尽くした間柄が、必ずしも一番いいとは限らないんだよ。”

わかったよ。
今のいい距離感を保ちながら、いつまでも仲良くやっていこう。


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