パラリアでスケジュールを立てるとこうなります
「あなただけのスケジュールを作成します」・「完全オーダーメイドの個別指導」等、オーダーメイドを謳う学習塾は無数に存在します。
実際には、この「オーダーメイド」の意味が場所によってバラバラです。
パラリアもオーダーメイド型、つまり決まったスケジュールを中高生に提供するのではなく、一人一人に合わせてカリキュラムを作成するタイプの学び場です。
そこで、パラリアではどのように学習スケジュールを組むのか、具体的にお伝えします、他の学び場と比較する際の参考になればと思います。
本来は目標設定や進路について色々お話した上で、学習スケジュールの話をしますが、ここでは次のテスト(学校の定期考査でも、外部模試でもOK)がすでに決まっているものとします。
手順は以下の通りです。
①次のテストで何点取りたいか
②そのテストの範囲は何か
③この範囲がどのように出題されるのか
④この範囲をどのように、さらにどれくらいの量勉強すれば目標点が取れるのか
⑤この学習法で進めようとすると、一日何時間必要になるのか
⑥このスケジュールをこなす覚悟があるか
①次のテストで何点取りたいか
まずは「次のテストで何点取りたいか」について話します。
この段階で「満点」という人はかなり少ないです。
当然、今の実力から考えて、「満点が取れる」と自信を持って言える人は少ないと思います。「今の自分の実力で満点だなんておこがましい」といういう意識を持っている中高生は大勢います。パラリア生も例外ではありません。
「何点取りたいか」を考えているはずが、この時点ですでに「取れるかどうか」を考えてしまいます。
こういったことがほとんどの中高生の中で当たり前なので、実際のテストで満点が少ないのではないかと思うほどです。
また、今の実力から考えて、現実的かどうかはこの後検討します。何を始めるにしても、「高得点が取りたいかどうか」という素直な気持ちが出発点です。個人的には、これは勉強に限ったことではないと思っています。
②そのテストの範囲は何か
目標点が決まったら、そのテストの範囲を確認します。外部模試だと、確認するまでもないことも多いですが、学校のテストとなれば話は別です。
中学生~高2までですと、次の学校のテスト範囲さえ把握できていないことが多々あります。
一方外部模試の場合、範囲そのものは大雑把にわかりますが、「どれくらいのレベルの模試か」を把握するのはあまり簡単なことではありません。
その模試の過去問を確認し、今自分が解いている問題集と照らし合わせて、どのくらいのレベルかを把握します。
③この範囲がどのように出題されるのか
範囲を把握したら、「どのようにアウトプットできるようになっておけばいいか」を考えます。
学校のテストの場合、とてもイメージがしやすいです。
英単語がテストに出る際、日本語が出題されて英語を答えるのか、英語が出題されて日本語が出るのかを、事前に把握している場合とそうでない場合は、勉強法が大きく異なってきます。
さらに重要なのは外部模試です。外部模試の形式は大きく変更されることはほとんどありません。実際の大学入試でも出題されるような一般的な形式です。
この出題形式をまずはじっくり観察します。
④この範囲をどのように、さらにどれくらいの量勉強すれば目標点が取れるのか
出題形式を十分に理解したら、次は「どのように勉強すれば、この出題形式に対応できるか」を議論します。
「ただ覚えればいい」だけではないのは明らかです。
どのようにアウトプットするかを決めなければ、勉強法を確定させることはできません。「どのようにアウトプットできるようになればいいのか」さえ分かってしまえば、勉強法は自ずと絞られてきます。
勉強法がわかったとして、さらにそれをどれくらいの強度で勉強するのか、どれくらい定着させる必要があるのかも考えます。
1回やって覚えられる人の場合、そもそも中学高校の勉強では悩んでいないはずです。大抵の場合、1回ではほとんど覚えることができないため、2回、3回と復習をします。
「何回復習すればいいですか」とよく尋ねられますが、「目標とするアウトプットができるようになる回数」が正確な答えです。
2回で問題なければ2回で十分、逆に10回やっても不十分であれば10回では足りません。
このように話を進めていくと、どういう勉強方法で何回繰り返す必要があるのかが見えてきます。
⑤この学習法で進めようとすると、一日何時間必要になるのか
ここまでくると、各科目に何時間必要になるかがわかってきます。
例えば英単語の勉強法を決め、1単語3分かかるとします。すると、100単語やるのに300分、2周目は1単語1分くらいとして合計100分、3周目は一気に見直すことができるとして1単語30秒、合計50分、
この勉強法で100単語を3周すると、合計で450分かかる見込みです。
450分ということは、1日60分を英単語に費やすとすると7.5日かかります。1日30分なら15日かかります。
さらに、その時間中一切気を散らすことなく勉強すると考えるのは現実的ではありません。上記の計算にさらに、ダラダラしてしまう時間等も加味します。
また、家族で出かけるイベントがあったり、学校で急遽課題が出たり、体調が悪くなったりすれば、予定はすぐに崩れます。そういったことも考慮して、予備日として一日スケジュールを空けておいたりする必要もあります。遅れてしまった時にリカバリーするための日も必要です。
このように一科目ずつ、一教材ずつ考えてスケジュールを立てていきます。
この段階で、「このスケジュールは達成可能か」を検討します。簡単に計算した時点で、一日の自習時間をオーバーしてしまったとしたら、そのスケジュールは物理的に不可能であることがわかります。
物理的に不可能ではない、それでいて目標点に到達するようなスケジュールを、各科目バランスを取りながら決めていきます。
⑥このスケジュールをこなす覚悟があるか
ここまで話が煮詰まってくると、「最初の目標が厳しいかも」となる場合が多いです。目標を少し妥協することもあります。「どの範囲をやるか」を少し妥協して、狭い範囲を完璧にするという方針もとれます。
こうしてすべての要素を調整しながら、「このスケジュールでチャレンジするかしないか」を最後に決めます。
達成するにはなかなか難しいスケジュールだったとしても、本人が「チャレンジする」と腹をくくるかどうかが重要です。
このように中高生とパラリアスタッフで話をしていれば、「このスケジュールはこの子には難しいかも」とスタッフが考えているかどうかは問題ではありません。
以上のように、多くの要素を手順を追って考えることによって、その子だけの、チャレンジするに値するスケジュールが完成します。
●まとめ:パラリアのスケジュールで最も重要なこと
本人が「チャレンジするに値する」と思えるスケジュールを立て、そのスケジュールにチャレンジする覚悟を持つこと
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