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ON THE WAY TO PARK #015 『上野の片隅、ようこそ幻のビリヤニマウンテンへ』 (ハリマ ケバブ ビリヤニ)
上野のディープな方。JR 上野駅でいえば入谷口から出る、東上野というエリアがある。古くから韓国にルーツを持つ方のコミュニティが存在したり、現地仕様の中華料理(いわゆる“ガチ中華”)が食べられたり、多国籍な土地柄で一本裏通りに入ればかなり面白い。 さて、今回はそんな東上野にある知る人ぞ知る名店『ハリマ ケバブ ビリヤニ』を紹介する。その名の通り、ビリヤニが看板メニューのインド料理店なのだが、この強烈さと病みつきの旨さは他の追随を許さない。 決して新しい店ではないが、隅々まで
ON THE WAY TO PARK #012 『コーヒーが飲めなかった15歳の私へ、おすすめしたい地元の店』 (シャンズカフェ)
コーヒーは元々飲めるようになってからこの街を好きになれた。 今でこそコーヒーマグを手放せない日々を過ごしているけれど、思えば成人するまでコーヒーが飲めなかった。だから、神田周辺に美味しいコーヒーが飲める喫茶店がたくさんあることに気づいたのは社会人になってからのこと。結構昔からあるはずなのにその良さを知らないままだったお店も、もっと早く行っておきたかった(なくなってしまった)場所もたくさんある。 さて、記憶の限りずっとそこにコーヒー屋があることを知っていたけれど、長らく入っ
ON THE WAY TO PARK #011 『春のコーヒータイムは、ポルトガルへ思いを馳せて』(ドース・イスピーガ)
ポルトガルのイメージって何だろう。私の場合、小学生の頃図書館で手に取った小松義夫氏の名著『地球生活気・世界ぐるりと家巡り』に登場した首都リスボンの街並みが思い浮かぶ。狭い路地に石造りの家が並び、曲がりくねった道や急な坂が張り巡らされた迷路のような旧市街。小さな路地が生活の場として定着していて、写真でしか見たことがないけれど、どこか温かいイメージが残っている。 さて、かれこれあれから20年がたち、未だにリスボンには行けていないのだけど、思いもよらぬところで我がホームタウン神田
ON THE WAY TO PARK #008 『いつものご褒美も、ちょっと奮発する日も。行きたくなる、近くのワイン屋さん』 (ワインスタイルズ)
年末年始、飲む口実には困らないからいつもより良い酒を冷蔵庫にストックしておく。ビールや日本酒、クラフトジンも素敵だけど、食事に合わせるならワインがいい。趣味の料理に没頭したり、お歳暮のハムを食べたり、カルディのセールで洒落たつまみを衝動買いしたり……。そんなときに冷蔵庫からとっておきのワインが出せたら、なんて素敵なんだろう。 『PARK GALLERY』にも時折、旨い日本ワインがあるけれど、せっかくだから家でも飲みたい。納得がいくワインを買える店って案外そう身近にはないもの
ON THE WAY TO PARK #004 『急な坂道の途中にある、素敵な日常に寄り添う古着』(Sirturday)
いい古着屋の基準なんて人それぞれだ。基本的には一点物しかないから、「いいものがある」というのもそう単純な話ではない。ある日素敵だなあと思ったものが、1カ月後に行ったらもうない可能性が高い。 そういう中でも、『Sirturday』は「いい古着屋」だと太鼓判を押したい。元々は本郷三丁目駅からすぐの場所にあって、今ではもう少し湯島寄りの場所へ移転している、恐らく PARK GALLERY から最も近い古着屋だ。ユーロ古着を中心にワークウェアやミリタリー、日常着に加えてスポーツもの
ON THE WAY TO PARK #002 『最近食べてないものが頼みたくなる、老舗喫茶店』(French Vouge)
『クッキングパパ』の第2巻、ハヤシライスが登場する回を読むと、この店を思い出す。湯島駅前の喫茶店『フレンチォーグ』のランチ、定番メニューはハヤシライスだ。敢えて書き並べるような尖った特徴があるものではなくて、コクがあって、まろやかで、ほのかな酸味があって、まさに“普通のハヤシライス”。具材も肉とマッシュルームと玉ねぎだけ、ごくシンプル。食後のコーヒーのためにほんの少し腹にゆとりが残るようなボリューム感も喫茶店として完璧だ。 ハヤシライスって、よく考えてみたらここで食べるまで