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EVERYTHING FLOWS #30 by illustrator はるやまひろし

—— 暗闇にいるかのように 音はない はじまりは ボウっと火が灯るように ささやかに


絵を描くことを音楽で言う『レコーディング』と称するイラストレーター・はるやまひろしによる、日々のドローイングイラストの記録(REC)を毎週紹介していきます。ライブハウスに貼りだされているチラシのようなイメージで、音楽やバンド、あらゆるサウンドからインスパイアされた、妄想爆発のアートワークが日々描かれていきます。音楽への愛が溢れるテキストと合わせてお楽しみください。


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2021.11.18(THU)
ARTIST - ANIMAL COLLECTIVE
ALBUM - CAMPFIRESONGS

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アニマルコレクティブ
1990年代半ば、ボルチモアの友人同士で自然発生的に結成。エイヴィ・テア、ディーキン、パンダ・ベア、ジオロジストの4人で活動をする。作品ごとに参加しないメンバーがいるなど活動形態が一定でない。コレクティブ = 集合体ということだろう。実験的でありながらもポップな音楽作りが特徴的だ。

余談だが、私も含めて、彼等の活躍と共に "コレクティブ" という言葉が世界で広まっていった気がする(以前では形態を指してコミュニティとかコミューンという言葉で表現するのが主だった)。活動が音楽業界はもちろんのことカルチャー業界としても影響力があるように思う。

アルバム『Campfiresongs』は現在までに11枚発表している彼等の初期にあたる3枚目のアルバム。エイヴィ・テア、ディーキン、パンダ・ベアの3人が参加。

...

暗闇にいるかのように
音はない
はじまりは
ボウっと火が灯るように
ささやかに

ギターや歌声は
風になびくように揺れている
キャンプファイヤーの火のように

虫や風や水の音が聞こえる
音はフェードアウトする
暗闇からまた姿を現わす

歌声やギターは
気持ちに寄り添うように
大きくなったり
小さくなったり

...

このアルバムに収められている曲群は、バントメンバーが『アニマルコレクティブ』と名乗る以前に、野外での語り弾きをMD で一発録りしたものらしい。火の音は聞こえないから、そこにキャンプファイヤーがあったかは定かじゃない。

アルバムを CD プレーヤーに入れたら、まず無音で。

気が付いたら音が鳴っている。ギターの音と歌声と自然の音。メロディーらしきもの。曲らしい曲もなく、歌らしい歌もない。そうやって始まって終わるんだ。聴いてるうちに、気が遠くなってくる … 気が付いたときには大好きなアルバムになっていた。なんだか時間や場所の感覚がない時なんかに聞いてみてほしい。

または『Campfiresongs』を聴いてるうちに、時間や場所の感覚がなくなっていくのかもしれない。


Doggy

アルバムの中では、1番曲の形があるコンパクトでミニマルな曲。演奏も録音も、構成されているのか、されていないのか。でも、アニマルコレクティブの音楽には生き物ねような不思議な生命感があって、アートや音楽が生命体と生きていることを実感できるんだ。少し聴いてみて「?」でも是非通して聴いてみて。


Bleak Midwinter

同じセッションから生まれた曲。好きな曲だな。アルバム収録の曲よりも親しみやすい。アルバムに収録されてたら浮くかもしれないな。写真に写ってる姿も懐かしい。雑誌ではじめて彼等を見かけた時は仮面姿だった。




Banshee Beat (live)

後々の曲のライブ。Campfiresongs は良い意味で形がないように思っていたけど、形がないということ自体が原型になっているんだな。




Campfiresongs(Album)

気持ちが向いたゆっくり出来る時に是非とも聞いてみてほしい。


次回もアニマルコレクティブの記事になる予定です。お楽しみに~!

はるやまひろし
静岡県生まれ、千葉県育ち。
好きな音楽のアートワークとTシャツに憧れてイラストレーターの活動をはじめる。シンガーソングライター気分で絵を日々レコーディング中。
https://www.instagram.com/hiroshi_haruyama

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